2022 Fiscal Year Research-status Report
Association between non-alcoholic fatty liver diseases related genetic polymorphism, lipid metabolism, and atherosclerosis
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20K17155
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池崎 裕昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (70838482)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動脈硬化症 / 非アルコール性脂肪肝 / 脂質代謝 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は既存の血液試料を用い、非アルコール性脂肪肝/脂肪肝炎に関連する4遺伝子(PNPLA3、TM6SF2、GCKR、NCAN)の遺伝子多型が、動脈硬化症および脂質代謝に与える影響を検討することを目的としている。2021年度までにベースライン時に動脈硬化症に影響を及ぼす高血圧症、糖尿病、脂質異常症のない対象者1050名(テーマ1および2)の上記4遺伝子多型測定を完了した。各遺伝子多型は、PNPLA3がCC/CG/GG:348/554/219、TM6SF2がCC/CT/TT:964/145/12、GCKRがCC/CT/TT:266/552/303、NCANがCC/CT/TT:1043/76/2であった。 主要アウトカムを新規プラーク形成とし、ベースライン時調査で頸動脈プラークがなかった944名を対象として解析を行った。新規頸動脈プラーク形成は124名(13.1%)で認められた。各遺伝子多型では、PNPLA3のCアレル、TM6SF2のCアレル、GCKRのTアレル、NCANのTアレル保持者が新規プラーク形成率が低い傾向であった。特にNCANのCCアレル群(1043名)では新規プラーク形成が13.8%に対してCTアレル群(76名)では4.8%と統計学的有意に低率であった。TTアレル群の2名をCTアレル群に加えてnonCCアレル群としても同様の結果であった。動脈硬化惹起性リポ蛋白については、NCAN CCアレル群と比較してCTアレル群ではRLP(レムナント様リポ蛋白)コレステロールが統計学的有意に低値であった。また、統計学的に有意ではないものの、CCアレル群と比較してCTアレル群ではHDLコレステロール高値、small dense LDLコレステロール低値、リポ蛋白(a)低値であり、リポ蛋白プロファイルが動脈硬化に対して保護的であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行により試料測定が遅れていたが、年度末には予定の測定が完了できている。2022年度も遺伝子多型測定は予定通りに完了した。一方で、測定がやや遅れたことにより解析・発表が遅れており、現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までに予定していた全対象者の遺伝子多型解析が完了している。 現在はテーマ1(ベースライン時50歳未満で、動脈硬化症に影響を及ぼす高血圧症、糖尿病、脂質異常症のない集団)とテーマ2(ベースライン時50歳以上で、動脈硬化症に影響を及ぼす高血圧症、糖尿病、脂質異常症のない集団)を統合したデータで論文作成し、投稿中である。今年度は上記論文に加えて、テーマ3である動脈硬化症のリスク因子である高血圧症、糖尿病、脂質異常症を有した対象者についてもデータ解析を行い、論文作成・投稿を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
遺伝子多型の測定費用に若干の余剰が生じたが、追加測定等が可能な額ではないため次年度使用とした。翌年度の解析や学会発表費用等に使用する予定としている。
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Research Products
(2 results)