2020 Fiscal Year Research-status Report
骨サイトカインが心不全予後に及ぼす影響 骨心連関の可能性
Project/Area Number |
20K17157
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
阿部 諭史 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (30722508)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨心連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全と骨粗鬆症は強く連関していると考えられているが、骨代謝が心不全の病態に及ぼす影響やその機序は明らかにされていない。本研究では、骨代謝を調節するサイトカイン/ホルモンが心不全の予後に影響するという仮説を検証するために、RANKL(receptor activator of NF-κB ligand)やOPG(osteoprotegrin)といった骨代謝関連サイトカイン/ホルモンや骨代謝マーカーであるTRACP-5bの血中濃度と心不全の予後との関連を調査した。当院に入院した心不全患者に対し、一般的な血液検査に加え、骨代謝に関係するALP、RANKL、OPG、TRACP-5bおよびtotal P1NPを測定し、心エコー図検査も施行した。また、退院後の心不全に関する予後調査を行い、総死亡、総心臓死、心血管イベントの有無に関して調査した。退院後の予後解析では、総心臓死、総心イベントいずれに関しても、骨代謝マーカーであるTRACP-5bが高値になればなるほどイベントが有意に高率であった。COX比例ハザード解析で単変量解析で有意となった因子で調整し多変量解析を行ったところ、TRACP-5b高値は総心臓死ならびに総心イベントいずれに対しても独立した予後規定因子であった。また、過去の報告同様にOPGが高値になればなるほど総心臓死、総心イベントいずれに関しても有意にイベントが高率であった。相関分析では、OPGとTRACP-5bと正の相関を認め、TRACP-5b濃度は、心不全患者において総心臓死ならびに総心イベントと関連があるとの結論に至った。上記の研究結果を論文化し、CJC OPENに投稿しアクセプトされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究では良好な結果が出て論文化し、CJC OPENにアクセプトされたが、当初予定していた動物実験までは施行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は更に動物実験も予定する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Serum TRACP5b, a marker of bone resorption, is associated with adverse cardiac prognosis in hospitalized patients with heart failure2021
Author(s)
Satoshi Abe, Akiomi Yoshihisa, Yasuhiro Ichijo, Yusuke Kimishima, Tetsuro Yokokawa,Tomofumi Misaka, Takamasa Sato, Masayoshi Oikawa, Atsushi Kobayashi, Takashi Kaneshiro, Kazuhiko Nakazato, Yasuchika Takeishi
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Journal Title
CJC OPEN
Volume: 3
Pages: 470-478
Open Access
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