2023 Fiscal Year Research-status Report
The novel strategy for treating atherosclerosis by regulating endothelial microRNA
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20K17165
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Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
足立 孝臣 明治国際医療大学, 臨床医学講座, 准教授 (20637277)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | miR-335 / 血管内皮細胞 / 大動脈 / CHFR / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、動脈硬化モデルマウスにおいて、miR-335を負に制御することで動脈硬化を抑止することを目的とする。これを明らかにするために、今年度はmiR-335 inhibitorを用いて動脈硬化を抑止することに取り組んだ。miR-335 inhibitorは、miR-335に対する相補鎖オリゴヌクレオチドである。これを血管内皮細胞特異的に輸送するため、研究協力者より供与される7C1nanoparticleを用いてマウスに投与した。動脈硬化モデルとしては、4週間の高脂肪食に加え、アンギオテンシンⅡ皮下持続投与を行う方法を採用した。治療介入は、週一回、尾静脈注射にてinhibitorの投与を行った。7C1nanoparticleの性能を確認するため、Cy5.5をnanoparticleに取り込ませたものを投与し、大動脈のフローサイトメトリーを行ったところ、血管内皮細胞への良好な取り込みを確認した。介入期間終了後、昨年度と同様に動脈硬化を評価したところ、血管内皮細胞特異的なmiR-335抑制環境において、Oil red O染色による大動脈動脈硬化病変の減少、ならびに大動脈弁HE染色における動脈硬化病変の減少を有意に認めた。また動脈硬化巣の免疫染色により、miR-335抑制環境においてマクロファージの有意な減少を認めた。 加えて、血管内皮細胞において、昨年度同定したmiR-335の標的遺伝子であるCHFRを抑制しフローサイトメトリーならびにウェスタンブロッティングを行ったところ、miR-335過剰発現と同様に、血管内皮細胞の炎症を惹起することを発見した。さらに、血管内皮細胞に対しCHFRプラスミドを導入することにより、miR-335過剰発現によって惹起した炎症を抑制することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、新型コロナウイルス感染症が5類に変更されたことによる影響で、附属病院における診療業務が昨年と比べて大幅に増加し、基礎研究を行う時間が大幅に削減された。また、米国の研究協力者との連絡に不具合があり、miR-335 inhibitorの入手に大きく手間取り、実験の遂行が遅れた。現在、論文化に向けて十分な実験個体数を得るため実験を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、本研究の結果をまとめて論文化するために十分な実験個体数を得るため、過去3年間に行った実験を見直し不足分を順次遂行している。特にmiR-335 inhibitorを用いた実験は、実験個体数が不足しており引き続き行う。
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Causes of Carryover |
令和5年度は、新型コロナウイルス感染症が5類に変更になったことにより、申請者の附属病院における医師業務が過剰となり、研究の進行に滞りが出る結果となった。また、予定していたアメリカ心臓学会への演題提出ができず、旅費使用が減少した。 今年度は、昨年度までに遂行できなかった残りの実験を行うとともに、論文化に向けて過去3年間の研究結果を見直し、不足のある実験を行う。また、アメリカ心臓学会での発表を目指し、さらに論文投稿にかかる費用も含める。
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