2021 Fiscal Year Research-status Report
癌関連線維芽細胞の活性化維持機構を標的としたIPF合併肺癌の新規治療法探索
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20K17174
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 敏夫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70771856)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺がん / 癌関連線維芽細胞 / シングルセル解析 / がん微小環境 / 肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
Thromboxane-Prostanoid Receptor signalingがTGF-β signalingの上流を制御し、肺線維症の線維芽細胞の活性化維持機構へ深く関与していることを既に報告しているが(Suzuki T, et al. Am J Respir Crit Care Med 2022, in press)、同様のメカニズムが肺がん細胞株、およびニッチ環境の癌関連線維芽細胞でも認められることをin vitroの実験系で明らかにした。 2021年度は、肺線維症の線維化巣の線維芽細胞と癌周囲の癌関連線維芽細胞とのcell cell interactionについて、single cell RNA解析を用いて実証しようと試みたが、シングルセル化の際に特定の細胞種のダメージが条件を変えても起こってしまう状況が続いた。本結果では信憑性のある結論には到達し得ないと考え、研究手法を大きく変更することにした。 既にホルマリン固定されたFFPE検体を用いてVisium解析を実施して、実際のヒト症例での傍証を得ることにした。既に数症例実施したが、うまくRNA解析に至れない症例も出てきており、手術摘出後の検体固定までの時間をさらに短縮してもうまく行かない場合は、frozen検体での再チャレンジを現在検討している段階である。 研究者の想定している傍証がヒトでも得られれば、その検証実験をヒト肺オルガノイドを用いて実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シングルセル化した際に発生する特定の細胞腫へのダメージの問題が解消しておらず、結果にバイアスが発生してしまっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
FFPE検体を用いたVisium解析実施にシフトして現在検討を重ねている。本検討症例の数を増やした上で、Pulmosphereを用いた検証を2022年下半期に実施する予定である。
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Causes of Carryover |
他の予算を用いて実験系を進ませることができたのが理由の一つと、新型コロナウイルス流行に伴い注文した機材や試薬、備品の到着が遅れたのがもう一つの理由である。
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