2021 Fiscal Year Research-status Report
Disease susceptibility genes for Japanese pulmonary fibrosis using whole exome sequence
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20K17177
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡本 師 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (60724200)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家族性間質性肺炎 / 間質性肺炎 / 遺伝性 / Exome sequence / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族歴を有する間質性肺炎症例について、DNAを収集した。収集した約50例の家族性間質性肺炎症例のうち、より遺伝因子が強く作用していると考えられる16症例のDNAサンプルを選定した。 DNAサンプルを電気泳動および濃度測定により品質を確認した。サンプルを数百bpに物理的に断片化を行い、2本鎖DNAの両末端にアダプターを付加したフラグメントライブラリーを作成した。SureSelect Target Enrichmentシステム(SureSelect Human All Exon V6)を用いてターゲット領域を濃縮し、タグ配列を有するプライマーを用いてPCR増幅を行い、シークエンスの鋳型となるDNAライブラリーを作成した。イルミナ社のNovaSeqシステムを用いてエクソームシークエンスを行い解析した。まずはfastqデータをhg19あるいはhg38を用いてvcfファイルを作成した。症例数が少ないためまれな遺伝子変異(rare mutation)をターゲットとし、uniq、1000 genome data、ESP、gnomad、jmorp、HGVDなどの病原性判定ツールを用いて、病原性のあるrare mutationを検出した。優先順位の高い3家系の解析では、CELSR3、SCL29A3、KIAA1324、GSTM5、UNC13D領域の遺伝子変異と関連を認め、全家系で解析したところ、CELSR3、LRRK1、OR2T33、SLC7A8、TTN、UNC13D領域の遺伝子変異と関連を認めた。これら遺伝子変異のすべてをサンガーシークエンスで確定した。進捗としては計画通りで進んでいると考えている。 今後は肺疾患と最も関連のある遺伝子変異に注目し、A549などの肺上皮細胞の細胞株を用いて、遺伝子導入など行うことで、それら遺伝子の機能を解析したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である2020年度に蓄積された家族性間質性肺炎のDNAサンプルを選定し、Exome sequenceを行うことができた。2021年度はexome sequenceで得られた膨大なデータを処理・annotationし、それぞれの遺伝子多型について病原性の有無を検討し、複数の候補遺伝子に絞り込むことができた。これらは計画通りに進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
Exome解析より得られた複数の候補遺伝子変異について、それぞれの機能を既報告からまとめる。肺疾患と関連のある遺伝子について、特にCELSR3、UNC13D領域の遺伝子変異に注目する。A549などの肺上皮細胞の細胞株を用いて、遺伝子導入など行うことで、それら遺伝子の機能を解析したいと考えている。
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Causes of Carryover |
全エクソンシークエンスのデータ解析を共同研究者と自身で行っているため、解析費用が掛からなかったため使用額が少なく済んだ。その分、データ解析より得られた家族性間質性肺炎発症に関わる候補遺伝子における、機能解析に使用したいと考えている。
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