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2021 Fiscal Year Research-status Report

Targeting of Numb-EphB3/4 molecular interaction and elucidation of signaling mechanism in pulmonary fibrosis

Research Project

Project/Area Number 20K17179
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

松井 利憲  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80839861)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords肺線維化 / タンパク質間相互作用 / シグナル伝達 / 抗線維化薬 / 特発性肺線維症 / シグナル制御因子
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、シグナル制御因子Numbに着目し肺線維化分子機構に重要な役割を果たすEphB3/4受容体との関連を解析することで、特発性肺線維症(IPF)進行の病態解明と抗線維化薬創成の分子基盤の構築を目的とした。
NumbがEphB3/4を細胞膜上で安定化させEphrin/Eph線維化シグナルを促進すると仮説を立て、分子、細胞、個体のレベルで階層的かつ有機的に研究を進めている。分子レベルでは生化学的手法を用いてNumbのPTB (phosphotyrosine-binding)ドメインがEphB3/4の細胞質領域と結合することを見出し、Numb-PTBをNumb-EphB3/4結合を特異的に阻害するdominant negative mutantを作成した。個体レベルではBleomycin (BLM)による肺線維化モデルマウスの実験系を立ち上げ、アデノ随伴ウイルス(AAV-DJ)を経気管支投与し個体内の肺組織における分子発現とKnock Downをする実験系を現在確立しつつある。Numb-PTBを肺組織で強発現させたのちにBLMで肺の線維化を評価する予定である。
NumbならびにEphrin/Eph受容体シグナル経路は、各々が神経可塑性や恒常性維持、発生、癌化などに重要な役割を果たすことが報告されており、本研究結果はNumbがさまざまな組織においてEphrin/Eph受容体シグナル伝達機構の制御していることを示唆する。このことは、肺線維化機構だけでなく分子細胞生物学的観点からも重要な知見を示した。また近年、進行線維化に伴う間質性肺疾患(PF-ILD)という疾患概念が提唱され、IPFだけでなくPF-ILDでも抗線維化薬の有効が示され、今後はますます効率的に肺線維化を抑制する副作用の少ない抗線維化薬の開発が望まれる。本研究はその創薬の分子基盤構築の礎となる可能性を秘めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルス蔓延に伴い研究環境が制限され、また研究代表者が新型コロナウイルス治療専門病院へ出向するなど様々な時間的制約があり、実験計画の大幅な遅延を認めた。
実験計画としては、Numb-EphB3/4結合の責任領域をアミノ酸配列まで同定しようと試みたこと、ならびにモデルマウスの実験系における薬剤やウイルスベクターの安定的な経気管支投与法の確立に多大な時間を費やした。

Strategy for Future Research Activity

上述したように分子、細胞、個体のレベルで階層的に研究を進めている。
分子レベルでは、Pulldown assayを用いてNumbのPTB (phosphotyrosine-binding)ドメインがEphB2と同様にEphB3/4の細胞質領域と結合することを見出した。EphB3/4のdeletion mutantを作製し、より狭域の結合の責任領域の同定を試みたが特定できなかった。そこでNumb-PTBをNumb-EphB3/4結合を特異的に阻害するDN mutantとして使用する方針とした。Numb-PTBがNumb-EphB3/4結合を阻害できるか生化学的手法を用いて検討している。
細胞レベルでは、線維芽細胞株(IMR-90)を用いて細胞遊走を評価するためBoyden chamber assayの実験系を立ち上げた。Numb KDによって細胞遊走は阻害されており、定量化を進めている。さらにNumb-PTB強発現で遊走が阻害されるかを評価予定である。
個体レベルで、肺線維化におけるNumb-EphB3/4結合の意義を解析するため、BLMによる肺線維化モデルマウスの実験系を立ち上げた。さらに、EGFPを発現するAAV-DJを作成し他組織で発現することは確認している。経気管支投与し個体内の肺組織におけるEGFP分子発現を評価し、個体内の肺組織における分子発現とKnock Downをする実験系を確立する。上述したNumb-PTBを強発現させて肺線維化モデルマウスでの線維化への効果を検討する予定である。
計画当初はNumb-EphB3/4結合の責任領域をアミノ酸配列まで同定し、結合阻害ペプチドを作成し透過性を持たせて創薬化することを目指していたが、上述のため困難が予想される。ただし、本研究の肺線維化の分子機構の解明という学究的重要性は保持される。

Causes of Carryover

2019年度GSKジャパン研究助成を獲得していたため先行し使用した。また、現在までの進捗状況に記載した理由により実験計画は遅延しているが、一方で実験計画自体は進行している。以上が次年度使用額が生じた理由である。実験計画については、今後の研究の推進方策への記載した通りに進める。
次年度助成金は、Numb-EphB3/4結合の機能的役割を線維芽細胞株を用いて細胞生物学実験により明らかにするため、細胞培養試薬、分子生物学用試薬、生化学用試薬、プラスチック器具を購入する。Numb-EphB3/4結合阻害の個体下での肺線維化への影響を調べるために肺線維化モデルマウスを使用する。よって実験用動物費やアデノウイルス作成費、試薬等ならびに共通機器使用料等に使用する。また、研究成果を学会、論文で発表するための費用にも使用する予定である。

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Published: 2022-12-28  

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