2021 Fiscal Year Annual Research Report
肥満喘息の難治化における時計遺伝子と生体内細菌叢の関わり
Project/Area Number |
20K17185
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高木 弘一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (40707866)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 肥満 / 時計遺伝子 / CD36 / オゾン / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
気管支喘息の独立した重症化リスクに肥満があり、肥満合併喘息患者では吸入ステロイド薬の治療効果が減弱することが報告されている。肥満の病態は腸内細菌叢の関与が示されているが、肥満による気道内細菌叢の変化については詳細は明らかにされていない。本研究の目的は、肥満による気道内細菌叢の変化を明らかにするとともに、細菌叢の変化による気道上皮細胞における時計遺伝子の変化が肥満喘息の重症化及び治療抵抗性に関わっていることを明らかにすることである。 前年度の研究において、従来のOVA及びHDMによる喘息モデルにおいて、高脂質食を摂取させることで作成したマウスを用いて実験を行ったが、肥満との関わりが指摘されている時計遺伝子の他、HDAC3、PGC1α、CD36について喘息群、naive群での比較を行ったが発現に有意な差を認めなかった。肥満喘息は好中球性炎症がその病態に関わることが指摘されており、好中球性の気道炎症を再現するため、OVAで感作、曝露を行った後にオゾン刺激を加えることで好中球性気道炎症を有する喘息モデルを作成した。通常の食事を摂取したマウスにおいて、オゾン曝露を加えても喘息病態に大きな変化はなかったが、高脂質食を摂取した肥満マウスにおいて、オゾン曝露を加えることで好中球性炎症の指標となる肺組織中のIL17の発現亢進の他に、気道過敏性の亢進や肺組織中のIL-5やIL-13などのTh2サイトカインの発現亢進も認めた。肥満が好中球性炎症を亢進するとともに、Th2炎症の病態も悪化させることが示された。現在、この病態に気道上皮における時計遺伝子関連の遺伝子発現が関わっているか解析を進めている。 COVID-19流行により、気管支喘息患者からの気道検体採取が滞っており、代替的な方法として、気道構成細胞由来のエクソソームを喀痰や血液検体から採取し解析を行う研究を並行して進めている。
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[Journal Article] Identification of distinct N-glycosylation patterns on extracellular vesicles from small-cell and non-small-cell lung cancers cells.2022
Author(s)
Kondo Kiyotaka, Harada Yoichiro, Nakano Miyako, Suzuki Takehiro, Fukushige Tomoko, Hanzawa Ken, Yagi Hirokazu, Takagi Koichi, Mizuno Keiko, Miyamoto Yasuhide, Taniguchi Naoyuki, Kato Koichi, Kanekura Takuro, Dohmae Naoshi, Machida Kentaro, Maruyama Ikuro, Inoue Hiromasa
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry
Volume: 298(6)
Pages: 101950
DOI
Peer Reviewed / Open Access