2021 Fiscal Year Research-status Report
iNOS遺伝子の発現を基軸とした喘息における末梢気道炎症の解明
Project/Area Number |
20K17187
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
西山 裕乃 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (80847468)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 喘息 / 遺伝子研究 / CANO |
Outline of Annual Research Achievements |
喘息の病態には中枢気道のみならず、SA領域 の気道炎症が関与することが近年注目されており、ICSが到達しにくいSA領域の気道炎症の残存が難治化の一因と考えられている。呼気一酸化窒素濃度(FeNO)は気道のTh2炎症を表す非侵襲的なマーカーとして広く用いられており、その肺胞成分(CANO)はSA領域の気道炎症を反映し、喘息の重症度と相関することが示されている。FeNOは気道上皮細胞の誘導型NO合成酵素(iNOS)の発現亢進により産生が促進されるが、CANOの産生に関わる遺伝子制御は知られていない。最近、iNOS遺伝子のプロモータ領域の塩基配列のリピート数:(CCTTT)nとNOS2 mRNA発現が負の相関関係することが報告された。Short allele群(≦ 11)とlong allele群(>12)の2群間の解析では、NOS2 mRNA発現量に有意差を認めたものの、FeNO値は同等であった。既報でSA領域の気道炎症が喘息増悪に関与していることと、両群間で喘息の増悪回数に差異を認めることから、「FeNOの差異としては現れないSA領域でのTh2炎症に相違がある」という仮説を立てた。 当院に通院している喘息・慢性咳嗽患者、84人より血液を採取し、mRNA測定を行っている。mRNA採取が不十分であった21人に関しては2回目の血液採取を行った。 症例登録と平行して、結果の解析と喘息に寄与する遺伝子の解析を今後は進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染流行により受診が減少し、症例登録が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例登録を行うとともに、結果の解析を行う。また、測定する遺伝子やSNPを決定する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染流行により海外学会などへの参加が困難であったため。
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