2022 Fiscal Year Research-status Report
IL-10発現アデノ随伴ウイルスベクターによる難治性呼吸器疾患の新規治療法開発
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20K17189
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
黒崎 史朗 自治医科大学, 医学部, 講師 (60625705)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | AAVベクター / IL-10 / 肺線維症 / 肺気腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺線維症および肺気腫におけるIL-10の役割を解明するために、マウスモデルを用いて解析を行う実験を行っている。しかし、昨年度も新型コロナウイルス感染症の蔓延防止を図るため、当大学施設における動物実験は長期間制限された。そのため、実験に用いるウイルスベクターを研究室内で作製することに重きを置いた。IL-10発現AAVベクターの作製については、HEK293細胞を用いてウイルスベクターを増殖させ、塩化セシウム密度匂配遠心法で精製することにしている。近年では、HEK293細胞からウイルスを回収した後、カラムを用いてAAVベクターを抽出、精製できるキットも利用できるため、キットによるAAVベクターの作製も試みた。従来の塩化セシウム密度匂配遠心法と比べ、一度に作製できる量は多くはないが、簡便であり、短時間で作製は可能であった。この方法によるAAVベクターの遺伝子導入の評価については、GFP遺伝子を搭載したAAVベクターやルシフェラーゼ遺伝子を搭載したAAVベクターを作製し、2種類の呼吸器系由来細胞株(気道上皮細胞BEAS-2B、肺細胞MLE12細胞)に遺伝子導入を行い、蛍光や発光の測定装置で遺伝子導入効率を評価した。カラムを用いた方法でも従来の精製法と遜色のない遺伝子導入効率を示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のために、実験施設が長期間制限されたため、動物実験を殆ど実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルマウスおよびエラスターゼ誘導性肺気腫マウスを多く作製し、IL-10発現AAVベクターを投与する実験を進める。また、今回カラム精製キットを用いたAAVベクターのin vitroでの遺伝子導入効率が従来の塩化セシウム密度匂配遠心法で作製したAAVベクターと遜色のない結果を示したため、本法でもマウスに投与し、同様の遺伝子導入を示すかどうか、安全性についても評価を行いたいと思っている。
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Causes of Carryover |
昨年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のために、長期間動物実験が制限された。そのために、動物実験は殆ど行わず、組み換えAAVベクターの作製とin vitroでの実験を主に行った。in vitroの実験に用いた呼吸器系由来細胞株は以前から所有していた細胞であり、かつ実験に必要な試薬や、解析に費やす物品額は比較的少額であり、次年度使用額が生じた。今年度は動物実験を再開する方針であり、多くの試薬や技術補佐員の協力が必要となる。
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