2021 Fiscal Year Research-status Report
p53誘導性タンパク質であるMieap液滴による特発性肺線維症の病態の制御
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20K17197
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
竹越 大輔 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80868084)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Mieap / ミトコンドリア / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性間質性肺炎の病態におけるMieapタンパク質の役割を検討するため、1.ヒト手術検体を用いてMieap発現を検討、2.培養細胞を用いて細胞レベルで線維化や老化、分化指標に影響があるかの検討、3.ブレオマイシン肺線維化マウスモデルを用いたMieapタンパク質の線維化への影響の検討、の3点をおこなった。 ヒト手術検体を用いた免疫染色による検討では、初期の解析ではコントロール群と特発性肺線維症合併検体群で明らかな差異を認めなかった。免疫染色自体の手技に問題がある可能性が残されている。 細胞レベルでは、ヒト気道上皮細胞を用いてMieapタンパク質のノックダウンを行い、電離放射線照射によるストレスに対する反応を解析した。既報通りMieapタンパクは電離放射線照射により発現亢進が見られたが、その発現抑制によって優位に老化マーカーが更新するような所見は得られなかった。刺激が強すぎることなどの実験条件の問題が残されている。 マウスモデルにおいては、Mieap KOマウスにて肺線維化所見が強い傾向が見られた。しかし、野生型群とKO群で週齢の差や体重格差が大きくなってしまったため、説得力のある結果のためには実験条件の改善が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床業務に時間を取られて研究活動に十分な時間が取れていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的に即した実験は一通り行ったものの、その全てにおいて実験の練度やN数の不足などで、明確な結果が示し得ない不十分な結果となっている。本研究を進めるには行う実験自体の変更というよりは、練度を高めて信頼の置ける結果を丁寧にだす必要がある。臨床業務と並行して実験を行う中でなかなか精度の高い実験が行えていないことが最大の課題である。本年度は同僚と協力することで臨床業務を軽減し、研究活動を進めていく。
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Causes of Carryover |
実施したマウス実験の検体処理・検討が遅れており、次年度に実行するために一部資金を繰り越した。
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