2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of drug-induced pneumonia associated with cancer immunotherapy focusing on PD-1 / Tim-3 expressing T cells
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20K17202
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田原 正浩 産業医科大学, 医学部, 産業医学修練医 (30812846)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬剤性肺炎 / 免疫チェックポイント阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor; ICI)を用いたがん免疫療法は、抗がん化学療法において不可欠な存在となった。ICIは、がん細胞の免疫逃避機構を阻害し、T細胞を再活性化させることで抗がん作用を発揮する。一方で、T細胞の過剰な活性化とサイトカイン放出症候群は免疫関連有害事象を引き起こし、がん免疫療法の大きな課題となっている。特にICIによる薬剤性肺炎(以下、ICI肺炎)は頻度が比較的高く、致死的となるため、ICIによるがん治療において最も重要な副作用であり、社会的にも大きな問題となっているが、その詳細な発症機序は不明である。 申請者らはCD8陽性T細胞(CD8+PD-1+Tim-3+Tcell)の機能を含めたICI肺炎発症の機序を解明し、ICI肺炎の新たな治療標的となり得るサイトカインを同定することを目的とし、ICI肺炎患者の気管支肺胞洗浄液を解析する臨床研究を行っている。本研究では、ICI肺炎を含めた薬剤性肺炎が疑われ診断目的に気管支肺胞洗浄を行う患者を対象とし、病変部の気管支肺胞洗浄液や経気管支肺生検を行い、肺実質中のリンパ球の表面マーカーや遺伝情報、各種サイトカインを網羅的に測定した。 現在、気管支鏡検査を行う薬剤性肺炎患者の気管支肺胞洗浄液や経気管支肺生検検体を収集中であるが、新型コロナウィルス感染症流行の影響で以前と比べて気管支鏡検査数が激減し、当初予定していたよりも検体収集が遅れている。また当初使用予定であったセルソーターが使用できなくなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
気管支鏡検査を行う薬剤性肺炎患者の気管支肺胞洗浄液や経気管支肺生検検体を現在収集中であるが、引き続き新型コロナウィルス感染症流行の影響で以前と比べて気管支鏡検査数が激減し、当初予定していたよりも検体収集が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
検体収集が計画通りに進まず、計画予定であったフローサイトメトリー解析やサイトカイン測定を行うことが出来なかったため当該助成金が生じた。また当初使用予定であったセルソーターが使用できなくなったことから、遺伝情報の解析についても翌年度以降に実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
検体収集が計画通りに進まず、計画予定であったフローサイトメトリー解析やサイトカイン測定を行うことが出来なかった。また当初使用予定であったセルソーターが使用できなくなったことから、遺伝情報の解析についても計画に遅れが生じている。繰り越した経費は、計画予定であったフローサイトメトリー解析やサイトカイン測定、遺伝情報の解析のために使用する予定である。
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