2021 Fiscal Year Annual Research Report
重症喘息におけるエンドタイプと増悪の関連性についての検討
Project/Area Number |
20K17206
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 孔一 北海道大学, 大学病院, 助教 (90789330)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 難治性喘息 / 増悪 / バイオマーカー / 2型気道炎症 / 好酸球 / FeNO |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道難治性喘息コホート研究は、実臨床を反映するために喫煙者(約60%)を含めた最大6年間前向きのコホート研究である。本コホート研究では、呼吸器内科専門医により喘息と診断され、ガイドラインに沿った適切な診療が行われている難治性喘息患者を対象とし、2018年10月で6年間の前向き調査が終了した。申請者らは、3年間にわたって頻回に増悪する臨床病型に着目し、末梢血好酸球数や呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)といった2型気道炎症との関連性が重要であることを報告した(Kimura H, et al. Clin Exp Allergy, 2018)。このことを背景として、本研究では増悪と2型気道炎症を反映するバイオマーカーとの関連を中心に検討した。 2型気道炎症を反映する日常診療において利用可能な指標として、末梢血好酸球数≧250 cells/mcL、FeNO≧31 ppb、アトピー素因の3つをTh2 featuresとし、カットオフ値以上のものをTh2 features陽性と定義した。その結果、Th2 featuresの陽性数が多いほど、頻回増悪のリスクが高いことが示された(Kimura H, et al. Allergol Int 2021)。また、3年間にわたってFeNOが高い(FeNO≧50 ppb)群においては、継続的に低い群(FeNO<25 ppb)と比較して有意に増悪頻度が高く、また初回増悪までの期間も短かった。それ以外の中間群に関しては、3年間にわたる変動が大きい方が、初回増悪までの期間が短いことが示された(Abe Y, et al. J Asthma Allergy 2020)。 これらのことから、日常臨床において2型気道炎症を制御することが、喘息増悪を防ぐアプローチになることが示唆され、学会・論文発表を行った。しかし一方で、喘息増悪と関連する新たなバイオマーカーを発見することまでには至らなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Further evidence for association of YKL-40 with severe asthma airway remodeling2022
Author(s)
Kimura H, Shimizu K, Tanabe N, Makita H, Taniguchi N, Kimura H, Suzuki M, Abe Y, Matsumoto-Sasaki M, Oguma A, Takimoto-Sato M, Takei N, Matsumoto M, Goudarzi H, Sato S, Ono J, Izuhara K, Hirai T, Nishimura M, Konno S
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Journal Title
Annals of Allergy, Asthma & Immunology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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