2021 Fiscal Year Research-status Report
免疫抵抗性克服のための非小細胞肺癌における放射線照射がもたらす免疫応答の解析
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20K17207
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
突田 容子 東北大学, 大学病院, 助教 (50822566)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺癌 / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行期非小細胞肺がんに対して、薬物療法(免疫療法+殺細胞性抗癌薬)に放射線照射(姑息照射)を追加していた13例、放射線照射を施行していない薬物療法のみの6例、の治療開始前後の血漿と末梢血単核細胞を解析した。フローサイトメトリーにより、末梢血単核細胞中のT細胞(CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞)、B細胞、骨髄由来抑制細、NK細胞、特にT細胞ではメモリーT細胞や疲弊T細胞、制御性T細胞、に分類して、免疫細胞の数と割合を解析した。収集した臨床情報と紐づけて解析を行った。放射線照射の有無による変化は現時点では明らかではないが、奏効例と非奏功例やPFSの比較において、奏功例や長期奏功例で治療前に有意に増加している細胞分画を同定した。これらの細胞分画は複合免疫療法における効果予測因子となりうるため、さらなる検証を行っていく。 血漿のサイトカインやケモカインをLEGENDplexTM multiplex Assayにて13種類を測定した。奏功例では治療前の炎症性サイトカインであるTNFαなどが治療開始前の時点ですでに増加していることが分かった。先述した細胞分画と関連のあるサイトカインについても検証を進めている。 放射線照射ではDAMPsが放出されるとの既報から、血漿中のDAMPs(HMGB1、カルレティキュリン)を測定したが、こちらは奏功例と非奏功例や放射線照射の有無における有意差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたフローサイトメトリー、ELISAによる細胞分画の解析やサイトカインの解析を行ったため、概ね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
奏功例と非奏功例で有意差のあった細胞分画の意義やサイトカインとの関連について、検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
レパトア解析を予定しているため次年度に繰り越した
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[Journal Article] Intensity-modulated radiation therapy with concurrent chemotherapy followed by durvalumab for stage III non-small cell lung cancer: a multi-center retrospective study2021
Author(s)
Tsukita Y, Yamamoto T, Mayahara H, Hata A, Takeda Y, Nakayama H, Tanaka S, Uchida J, Usui K, Toyoda T, Tamiya M, Morimoto M, Oya Y, Kodaira T, Miyauchi E, Jingu K, Sugiura H
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Journal Title
Radiotherapy and Oncology
Volume: 160
Pages: 266-272
DOI
Peer Reviewed