2020 Fiscal Year Research-status Report
WNKシグナルの網羅的解析による新規高血圧治療薬の開発
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20K17244
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
磯部 清志 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80804591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | WNKキナーゼ / 高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
WNKの新しい基質を見つけるため、WNK4 ノックアウト細胞を基本として、WNK1/WNK4ダブルノックアウト細胞の作成をするために、まず、WNK4 KO細胞をFACSを用いて分離、シングル化を行った。しかし、FACSによるsortingによって、WNK4ノックアウトクローン株の表現系に変化が見られ、再度のWNK4ノックアウト細胞作成を行なった。WNK1 ノックアウト用のCRISPR―Cas9ベクターを挿入して再度シングル化を行うため、WNK1ノックアウトのためのguide RNAのデザインを行い、CRISPR-Cas9ベクターを用意している。 その他、WNKシグナルが腎臓において炎症シグナルによって制御され、慢性腎臓病における塩分感受性高血圧に寄与することを明らかにした。慢性腎臓病モデルマウス腎臓のWNKシグナルを評価した。その結果アリストロキア酸腎症モデルにおいてWNK1-SPAK-NCCシグナルが亢進していることを発見した。アリストロキア酸腎症モデルはNCCの阻害薬であるサイアザイドによる利尿効果が増強しており、機能的にもNCCが活性化していることを確認した。このWNK1の増加はNedd4-2の機能低下によって、WNK1が分解されなくなることにより発生することがわかった。最終的にTNFαはWNK1-SPAK-NCCシグナルを亢進させ、慢性腎臓病の塩分感受性高血圧に関与することがわかり、WNKシグナルが腎臓内の炎症/免疫シグナルと塩分感受性をつないでいることが明らかにした。 また、高カリウム状態における、WNKシグナルの制御にSodium-calcium exchanger 1が重要であることも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックアウト細胞作成に時間がかかっているが、免疫と高血圧とWNKキナーゼの関連を明らかにする仕事など、WNKに関わる論文報告を3報行った。
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Strategy for Future Research Activity |
WNKの基質をリン酸化プロテオミクスを用いて探索すると同時に、WNK4のインタラクトームを行い、WNK4と関連する蛋白を同定する。同定された蛋白を過去の文献と脂肪分化誘導をしていないNegative Controlとなる結果との比較などで検討し、3T3-L1培養細胞系で検証を進めていく予定である。またKinase dependentなシグナル系も同時に検討するため、CRISPR-Cas9ゲノム編集法を用いてWNK4ノックアウト3T3-L1培養細胞の作成にも成功しており、今後SILACラベル下で定量プロテオミクスを行いWNK4シグナル伝達系の解析も進めていきたい。
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Research Products
(3 results)