2020 Fiscal Year Research-status Report
アルドステロンによる糸球体障害におけるポドサイトのp38MAPKの役割の解明
Project/Area Number |
20K17246
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 有希子 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40769519)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポドサイト / アルドステロン / ナトリウム利尿ペプチド / VEGF |
Outline of Annual Research Achievements |
アルドステロンによるポドサイト障害におけるp38MAPKならびにナトリウム利尿ペプチド受容体A(GC-A)の役割を検討した。ポドサイトにおけるp38MAPKの意義を検討するためにポドサイト特異的p38αMAPKノックアウトマウスとポドサイト特異的GC-A&p38αMAPKダブルノックアウトマウスを作製しB-ALDO(アルドステロン、高食塩)負荷を行った。ポドサイト特異的p38αMAPKノックアウトマウスにおいては、軽度のアルブミン尿とポドサイト障害が認められた。一方ダブルノックアウトマウスでは高度のアルブミン尿と著しいポドサイト障害、係蹄内に血栓を認め、nephrin, podocinの発現の低下、ポドサイトの足突起消失が認められた。血栓病変はPTAH染色陽性でフィブリノゲン陽性であった。糸球体のmRNA発現を解析したところ、ダブルKOではVegfaの発現低下と、Pai-1、Ccl2, fibronectinの発現増加が認められた。これらの結果から、ポドサイトにおいてGC-Aとp38 MAPKを欠損することでVEGF-Aの低下を介して内皮障害が惹起されると想定した。 次に培養系において、培養ヒトポドサイトにsi-GC-Aとsi-Mapk14を遺伝子導入したところ、GC-AとMapk14 mRNAは半分以下に低下したがコントロールと比べてVegfa、Pai-1, Ccl2について発現変化を認めなかった。Mapk14の低下の程度が不十分である可能性を想定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポドサイト特異的GC-A&p38 MAPKダブルノックアウトマウスにB-ALDO負荷を行うことで、明らかな表現型の変化が認められ、順調に解析が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞においてGC-Aとp38 MAPKのsiRNAによる抑制では十分でなかったため、CRISPR/Cas9による抑制も検討する。
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