2021 Fiscal Year Annual Research Report
骨・ミネラル代謝を介した新たなインスリン抵抗性への治療戦略
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20K17259
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
中島 章雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20624688)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨・ミネラル代謝 / インスリン抵抗性 / FGF23 / 血液透析 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者は全世界で増加傾向にあり,その対策は医療者にとって急務である.インスリン抵抗性は糖尿病の発症機序の主要な因子であり,さらに糖代謝のみならず心血管疾患の発症,全死亡に関与すると近年再評価されている.しかしながらインスリン抵抗性への介入方法は少なく,その治療法は限られている.特に腎不全患者においてはインスリン抵抗性に関する各種薬剤は使用が難しく、治療がなされていない現状がある。また腎不全患者における糖尿病患者数も増えており、新たなアプローチが必要とされている。申請者は糖尿病患者でリンやリン排泄ホルモンであるFGF23がインスリン抵抗性に関与すことを明らかにしている。今回、腎不全患者を対象にインスリン抵抗性の主要な蛋白であるレジスチンを用いて解析を行った。結果としてレジスチンが生命予後・心血管疾患に関与すること、そしてFGF23やリンと相関がみられることを腎不全患者を対象に見出した。現在、上記結果について論文投稿を行っている。また機序としてインスリン抵抗性と骨・ミネラル代謝による血管石灰化の進展が考えられた。そのため血管石灰化の各種指標とインスリン抵抗性との解析を行い骨・ミネラル代謝の影響について解析を行い、併せて論文投稿を予定している。今回の研究課題により慢性腎不全患者の骨・ミネラル代謝とインスリン抵抗性、そして生命予後や心血管疾患との関連性が明らかになった。今後、骨・ミネラル代謝を通じた新たインスリン抵抗性や糖尿病への治療を引き続き模索していく。
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Research Products
(5 results)