2020 Fiscal Year Research-status Report
細胞老化を介した高脂肪食摂取による慢性腎臓病や腎がん発症機序の解明
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20K17264
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
荒谷 紗絵 日本医科大学, 医学部, 助教 (60844131)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞老化 / 慢性腎臓病 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化社会の到来に伴い慢性腎臓病の増大が懸念されている。今回、慢性腎臓病発症における細胞老化の関わりを検討している。まず、細胞老化の外的ストレスとして放射線照射と高脂肪食を用いて、4群の動物モデルを作成した:①放射線照射なし+通常食、②放射線照射なし+高脂肪食、③放射線照射あり+通常食、④放射線照射あり+高脂肪食。9カ月間の観察期間を終え、全身状態を評価しえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慢性腎臓病の指標として、尿蛋白や血清BUN値に個体差が多く、慢性腎臓病の表現型を十分観察するに至っていない。 さらに、2021年度からの異動に伴い、実験計画を変更することになり、今後は下記の研究推進方策を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞老化は、加齢性疾患の発症に深く関わることが知られており、慢性腎臓病との関連も示唆されている。細胞老化は、様々なマーカーを組み合わせて同定するが、なかでもp16遺伝子発現は重要な指標となっている。そこで今回、より長期間の観察期間を設定し、p16遺伝子の発現有無をタモキシフェン投与依存的に蛍光標識できる動物モデル(p16-tdTomatoマウス)を用いた実験系を構築し、慢性腎臓病の発症とp16発現との関連を評価する。
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Causes of Carryover |
2020年度に作成した動物モデルを完成させ、解析を行っているが、当初予定していた動物モデルが十分に確立されず、実験に用いる消耗品や、データ解析のためのコンピュータ、研究成果発表のための予算を使用していないため。一方で、異動先の研究室では、動物モデルはすでに確立されているため、実験に必要な追加費用が必要とならなかったため。 予算は、次年度に持ち越して研究を積極的に継続する予定である。
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