2021 Fiscal Year Research-status Report
エリスロポエチン受容体を介した急性腎障害の新規治療法の開発
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20K17268
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中山 陽介 久留米大学, 医学部, 助教 (00748486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | AKI / ADMA / NO / CKD |
Outline of Annual Research Achievements |
エリスロポエチン(EPO)は動物実験では虚血障害に対して有効な薬剤である。一方、ヒトにおいてEPOは心腎血管系に対する保護効果は認めず 、臓器障害は貧血よりEPO低反応性を引き起こす病態の方が大きいと考えられている。申請者は尿毒素物質の1つであるADMAがエリスロポエチン 受容体低下を引き起こしEPO低反応性を誘導することを見出した。術後の急性腎不全や腎移植から生じる急性腎障害は不可避な医原性腎疾患であるが、障害発症が予想できるため予防可能な急性腎障害ともいえる。急性腎障害時のADMA-エリスロポエチン受容体を明らかにすることは、急性腎障害の新たな治療戦略となり腎臓分野へ貢献ができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
虚血時のADMAとDDAHの関係について、虚血時のDDAHへの影響がHIFによるものか、ERストレスによるものか不明であった。尿細管細胞を虚血にて培養し、それぞれの影響とDDAHの変化を比較した。結果、虚血時のDDAH低下の機序を明らかにした。その他、ADMAに対する治療薬のスクリーニングの概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
虚血時のADMAとDDAHの機序は解明できた。引き続き治療薬スクリーニングを続ける。なお急性腎不全のマーカーとしてADMAの構造異性体であるSDMAが腎障害を鋭敏に判断できる可能性から、SDMA検査試薬準備も進めていきたい。
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Causes of Carryover |
急性腎不全での障害はADMAが原因であるが、早期発見にはADMAの構造異性体であるSDMAが鋭敏であることが判明した。ADMAのマーカー作成からSDMAのマーカー作成に変更したため次年度使用額が変更になります。
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