2023 Fiscal Year Annual Research Report
エリスロポエチン受容体を介した急性腎障害の新規治療法の開発
Project/Area Number |
20K17268
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中山 陽介 久留米大学, 医学部, 助教 (00748486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ADMA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では急性腎障害時のADMA蓄積がエリスロポエチン受容体低下を介して虚血による腎障害を引き起こすと仮説をたて、エリスロポエチン受容体を標的とした腎障害のマーカー、治療法の開発を目指した。初年度はADMAの構造異性体であるSDMA(HPLC)が初期の腎不全予測の有用なマーカーになることを見出した。次年度は治療法 の確立と平行し予測マーカーの確立を目指し、SDMAのELISA作成を行ったが若干の抗体価上昇が見られるものの、血清希釈倍率 1/200 において、OD が>2.0となっておらず、SDMA に対する抗原認識が弱いことが推測された。linker-BSAにて免疫に変更しても抗体価上昇はKLH時と同様であった。最終年度は予測マーカーの確立に絞り研究を遂行した。方法としてラクダ科動物のナイーブ VHH ライブラリーから、ADMA との交差反応を起こさない SDMA に対する VHH 単一ドメイン抗体 (sdAb) を同定したいと考え、抗原の調製からファージディスプレイのパニング、および要件に基づくバインダーの検証までをカバーする4つのフェーズを検討した。異なる ELISAプレート、未修飾抗原 (SDMA および ADMA)、ビオチン化抗原、BSA 結合抗原という4つの異なるパニング戦略に基づいて、SDMA および ADMA に対するメガ多様なナイーブ VHH ライブラリーをスクリーニングした。結果、4つの異なるパニングでは濃縮が認められず 、ADMAとSDMAの総量であれば測定できるもののADMA および SDMA の抗原特異的結合剤をスクリーニングが困難であった。SDMAは腎障害の早期マーカーになり得る可能性があるが、現時点でSDMA特異的なELISA作成は困難であった。次はADMAとの交差反応なしに抗SDMA VHHを生成できれば特異的ELISAを作成可能と思われた。
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