2020 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性腎臓病の全ゲノムシークエンスデータによるゲノム構造多型解析および機能解析
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20K17275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 有佳 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70841881)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | whole genome sequence / 糖尿病性腎臓病 / 構造多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎臓病は、糖尿病を原疾患として発症する慢性腎臓病である。糖尿病自体が生活習慣病であり、生活習慣の影響はよく知られているが、その遺伝学的素因についての研究はまだ少ない。特に、構造多型について調べた研究は少なく、申請者は糖尿病性腎臓病の疾患背景としての構造多型の存在を明らかにすることを目標として本研究を遂行している。 申請者は、糖尿病性腎臓病患者計80例の全ゲノムシークエンスデータを得た。Linuxのコマンドラインを用いて、1塩基多型やshort In/Delの検出を全例につき行った。さらに、構造多型を検出するソフトウェアを用いて個々の症例の解析を行い、全例についての結果ファイルを得た。 また、これまでの既報を調査し補体関連遺伝子の一覧を作成した。さらに、炎症・代謝関連遺伝子、糖尿病関連遺伝子の一覧についても作成した。 これらの一覧に含まれる遺伝子について、全ゲノムシークエンスデータを解析した構造多型の結果ファイルの中から絞り込みを行い、糖尿病性腎臓病に関連する可能性があるいくつかの構造多型に着目した。全ゲノムシークエンスだけでなく、他手法による構造多型が存在することの確認が必要と考え、long PCR法を用いて実際に存在することの確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲノム情報は取り扱いに注意が必要な個人情報であり、研究室内のスタンドアローンのコンピューターで解析を行っているが、COVID-19蔓延に伴い研究室への出入りに制限がかかり、解析に支障が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
構造多型が存在することをlong PCR法によって確認した上で、研究計画通りリコンビナント蛋白の発現・精製、腎臓培養細胞への添加などを行い、in vitroにおける機能解析を遂行する。現在は補体関連遺伝子、炎症・代謝関連遺伝子、糖尿病関連遺伝子に絞って解析を行っており、その他の遺伝子についても研究対象として考慮する。
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