2021 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性腎臓病の全ゲノムシークエンスデータによるゲノム構造多型解析および機能解析
Project/Area Number |
20K17275
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 有佳 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70841881)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | whole genome sequence / 糖尿病性腎臓病 / 構造多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎臓病は、糖尿病を原疾患として発症する慢性腎臓病である。糖尿病自体が生活習慣病であり、生活習慣の影響はよく知られているが、その遺伝学的素因についての研究はまだ少ない。特に、構造多型について調べた研究は少なく、申請者は糖尿病性腎臓病の疾患背景としての構造多型の存在を明らかにすることを目標として本研究を遂行している。 糖尿病性腎臓病患者計80例の全ゲノムシークエンスデータを得て、Linuxのコマンドラインを用いて、1塩基多型やshort In/Delの検出、構造多型の検出を行った。この際、構造多型を検出するソフトウェアとして精度の良いものが新規に開発されたため、それを用いたパイプラインを再構築し、本パイプラインを用いた再度の解析を実施した。 既報を調査し補体関連遺伝子、炎症・代謝関連遺伝子、糖尿病関連遺伝子の一覧を作成、更に先天性腎尿路異常(CAKUT)関連遺伝子の一覧を作成し、これらの含まれる遺伝子についての絞り込みを実施した。その結果、糖尿病性腎臓病に関連する可能性があるいくつかの構造多型が抽出された。これらの構造多型についてPCR法により実際に存在することの確認を行うとともに、より大規模なコホートでの実証が必要と考え、他コホートでのこれらの構造多型の頻度調査を依頼した。 今後、構造多型をもったリコンビナント蛋白の発現・精製、腎臓培養細胞への添加などを行い、in vitroにおける機能解析を遂行するにあたり、予備実験を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析の精度をあげるために解析パイプラインの再構築を実施した。そのため、昨年度実施した解析を再度行い、候補遺伝子が変更となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
抽出した構造多型のうち、大規模コホートでの頻度確認の結果を踏まえて、より有望と考えられるものに着目し、リコンビナント蛋白の発現・精製、腎臓培養細胞への添加などを行い、in vitroにおける機能解析を遂行する。なお、これらのin vitroでの機能解析を実施するにあたっての予備実験は既に実施済みである。
|