2020 Fiscal Year Research-status Report
アポトーシス制御に着目した急性腎障害の予防法および治療法の創出
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20K17288
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森永 潤 熊本大学, 病院, 病院教員 (50459210)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急性腎障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は科学研究費助成事業(若手研究)を用いて、国民の健康に強い悪影響を及ぼす「腎臓病」のなかでも、外科手術、敗血症および脱水等の状態においてリスクが高いことが知られる急性腎障害の病態進展機構を明らかにすることを目的として、腎臓の虚血再灌流障害に着目した基礎的検討を行った。より具体的には、急性腎障害時の腎臓において重要な役割を担うであろうアンジオポエチン様因子(ANGPTL)2の役割を明らかにすることで、将来の急性腎障害の治療および予防法の開発を目指すための検討を行い、一定の成果を得た。 初年度、申請者は以下のことを見出した。①マウス虚血再灌流モデルは多くの研究者に用いられている動物モデルであるが、申請者はこのモデルが確かに虚血再灌流による急性腎障害を引き起こすことを確認した。②本動物モデルの条件検討から、最適な腎動脈虚血時間を見出した。③腎臓が虚血再灌流障害に陥ってから24時間後において、臓器中のANGPTL2のmRNA転写活性と蛋白量は低下していた。④遺伝子改変マウスを用いた検討では、ANGPTL2が急性腎障害進展に拮抗的に作用する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は一定の成果を見出しており、現段階ではおおむね順調に進展していると判断された。
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Strategy for Future Research Activity |
腎臓は多種の構成細胞からなる複雑なシステムを有する臓器であることから、腎臓の中でも、どの細胞で、いつ、どのようなメカニズムを介してANGPTL2が急性腎障害進展にかかわるのかは、まだ分かっていない。よって、申請者は今後、更なる検討を行い、これらの疑問を明らかにしていきたい。
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