2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K17294
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
毎熊 政行 順天堂大学, 医学部, 助教 (50748564)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IgA血管炎 / 紫斑病性腎炎 / IgA腎症 / 糖鎖異常IgA1 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA血管炎の腎炎発症予測因子の確立のために、2020年度より皮膚科と連携することで紫斑を初発症状とするIgA血管炎患者のリクルートを開始した。しかしながら、COVID-19のパンデミックの影響で病院自体の機能が一時停止したこと、および新規患者の数が激減したことより、現時点までに新規に登録できた患者はいない。後ろ向きではあるが、当院腎臓内科で腎生検をした腎炎合併IgA血管炎患者の血清中バイオマーカー(IgA、IgG、IgA-IgG免疫複合体、糖鎖異常IgA1)、尿中糖鎖異常-IgA1の測定を行った。また、当科で樹立した抗Gd-IgA1モノクローナル抗体(KM55抗体)を使用し、腎臓の免疫染色を行った。これらのバイオマーカーは腎炎合併IgA血管炎患者ではIgA腎症患者と同様に上昇していた。また、KM55染色に関してはメサンギウムに沈着するIgAがKM55抗体と共染色を示し、IgA血管炎の腎病変に関してはIgA腎症と共通の病態を有していることを確認した。現在、腎生検時の血中バイオマーカーが腎予後に関与するかを合わせて検証している。具体的には腎生検時からの継時的な臨床検査所見(尿素窒素、血清クレアチニン値、尿蛋白定性、尿蛋白量、尿潜血反応、尿沈渣など)、治療内容(ステロイドパルスの回数、ステロイド内服量および期間)についてのデータを収集し、解析を行なっている。さらに、IgA血管炎と糖鎖異常IgA1の関与を明らかにするために、IgA血管炎患者の紫斑部位の生検検体をKM55抗体を用いて免疫染色を行った。結果としては一部の症例で、紫斑部位に沈着するIgAがKM55抗体と共染色を示し、IgA血管炎の皮膚病変にも糖鎖異常IgAが関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の爆発的なパンデミックに伴い、一時的に病院としての機能が大幅に低下したこと、および新規患者の受け入れを制限したことにより患者数が予定通りに集積できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
関連病院と連携を計ることにより、効率よく症例を集積する。
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Causes of Carryover |
症例が集まっておらず、予定よりELISA kitの購入数が少なかったため。
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