2021 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚移植片対宿主病におけるランゲルハンス細胞の免疫抑制機構の解明
Project/Area Number |
20K17307
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久保田 典子 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (10844847)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ランゲルハンス細胞 / 移植片対宿主病 / CD8 T細胞 / PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまで、ランゲルハンス細胞(LC)が表皮特異的自己反応性CD8 T細胞の増殖抑制を介してGVHD皮膚症状の進展を抑制していることを解明し、その成果を発表した。 昨年度はさらにLCのGVHD皮膚症状における進展抑制機構へのPD-L1の関与の有無を解析した。PD-L1-Loxpマウスと、LC特異的にcreを発現するLangerin-creマウスと、表皮角化細胞特異的に卵白アルブミン(OVA)遺伝子を導入したkeratin 14 promoter-membrane ovalbumin transgenic(K14-mOVA Tg)マウスとを交配させ、triple Tgマウスを作製した。これは、角化細胞特異的にOVAを発現している上に、LC特異的にPD-L1が欠損したマウスで、OVA特異的CD8 T細胞(OT-I細胞)を移入しGVHD様皮膚症状を惹起させたところ、LC上にPD-L1の発現があるコントロール群と比較して、皮膚症状を評価したskin scoreで有意差がなかった。 また、OVA CD8エピトープ(SIINFEK)を提示したマイトマイシンC処理ナイーブ脾臓細胞を抗原提示細胞としGFP+OT-I細胞を刺激した系に、K14-mOVA Tgマウスの全身皮膚からトリプシンで表皮を分離し、磁気細胞分離法(MACS)でpositive selectionして得たLCを加えた。さらに抗PD-L1ブロッキング抗体を加え、WST-I assayによるOT-I細胞の増殖反応解析を行った。isotypeコントロール抗体を加えた群では、LCがOT-I細胞の増殖を抑制していたが、抗PD-L1ブロッキング抗体を用いてもOT-I細胞数はコントロール群と変わらなかった。Vivoにおいてもvitroの解析においても、LCのGVHD様皮膚症状進展抑制機構にPD-L1は関与していないことを証明した。
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