2020 Fiscal Year Research-status Report
Innovation of novel therapeutic strategies using siRNA for ichthyotic lesions of KID syndrome
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20K17315
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
滝 奉樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00846727)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | KID症候群 / GJB2 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の遺伝子治療研究は、siRNAを始めとしたRNA干渉の技術の向上により、新たな段階を迎えている。本研究では、特にgain-of-function型優性変異による遺伝性皮膚疾患において、標的遺伝子の機能を抑制するsiRNAを用いて、変異遺伝子発現を抑制することによる治療効果の実証研究を目的とする。 keratitis-ichthyosis-deafness(KID)症候群は、角膜炎、魚鱗癬、聴覚障害を三主徴とする症候群で、コネキシン26をコードするGJB2遺伝子変異により生じる常染色体優性遺伝性の疾患である。コネキシンは、細胞膜上で6量体(コネクソン)を形成し、ヘミチャネルとして細胞内外の分子のやり取りをする他、細胞間の6量体同士が結合し、ギャップジャンクションを形成し、細胞間での分子のやり取りをする。KID症候群は、変異コネキシンのgain-of-functionによりヘミチャネル機能異常を起こし、常染色体優性の発症を示す。本研究では、この変異コネキシンの機能をsiRNAで抑制することにより、実際に魚鱗癬を治療する事で、この治療方略の有用性を実証することを目的とする。 本年度は、研究計画に基づき、目的の遺伝子と緑色蛍光タンパクであるEGFPを、IRESの存在下でそれぞれ発現するコンストラクトの作成に取り掛かった。次に、コンストラクトのシークエンスにより、プラスミドに変異が入っていることを確認し、大量調整と精製を行った。その後に、精製されたコンストラクトを用いて、KID症候群モデルマウスの作成を外部に委託した。 コロナウイルス感染症の影響で、マウスの新規実験に制限がかかり、研究室への出入りも最小限にするように制限がかけられた時期が長く、モデルマウス作成のための外注先でも遅延が生じ、思うように研究が進まなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の影響で、リモートワークが推奨され、必要最低限の実験しか行えない期間が続いたことと、当施設のマウス舎の死体焼却場がコロナウイルスのため、稼働しない時期があり、マウスの新規実験を控えるようにと制限がかかっていたことで、モデルマウスの作成に大幅な遅延が生じた
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Strategy for Future Research Activity |
モデルマウスが作成され次第、表現型の確認や、治療実験の方法などを検討していく。
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Causes of Carryover |
KID症候群モデルマウスの作成に、当初予定していたよりも長い月日を必要としたため、研究計画を次年度に延長することになったから。
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