2022 Fiscal Year Research-status Report
Innovation of novel therapeutic strategies using siRNA for ichthyotic lesions of KID syndrome
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20K17315
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
滝 奉樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00846727)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | KID症候群 / GJB2 / 魚鱗癬症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の遺伝子治療研究は、siRNAを始めとしたRNA干渉の技術の向上により、新たな段階を迎えている。本研究では、特にgain-of-function型優性変異による遺伝性皮膚疾患において、標的遺伝子の機能を抑制するsiRNAを用いて、変異遺伝子発現を抑制することによる治療効果の実証研究を目的とする。 keratitis-ichthyosis-deafness(KID)症候群は、角膜炎、魚鱗癬、聴覚障害を三主徴とする症候群で、コネキシン26をコードするGJB2遺伝子変異により生じる常染色体優性遺伝の疾患である。コネキシンは、細胞膜上で6量体(コネクソン)を形成し、ヘミチャネルとして細胞内外の分子のやり取りをする他、細胞間の6量体同士が結合し、ギャップジャンクションを形成し、細胞間での分子のやり取りをする分子である。KID症候群は、変異コネキシンのgain-of-functionによりヘミチャネル機能異常を起こし、常染色体優性の発症を示す。この変異コネキシンの機能をsiRNAで抑制することにより、実際に魚鱗癬を治療する事で、この治療方略の有用性を実証する。 本年度は、昨年度作成したGJB2遺伝子変異を導入したマウスのバッククロスを行い、表現型を呈するKID症候群モデルマウスを作成しようと試みたが、皮膚の表現型を呈するマウスを得られなった。そこで、一旦モデルマウスの作成を中断し、培養細胞の系で、GJB2遺伝子変異を導入した細胞が、どのような条件であれば変異蛋白が発現するのかを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KID症候群の皮膚の表現型を呈するモデルマウスがうまく作成できず、モデルマウスを使った実験ができない状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
モデルマウスの作成が前提の実験系は一旦中断し、培養細胞の系でGJB2遺伝子変異の変異蛋白の機能解析や、どの条件で変異蛋白の発現量が増加するのかを検討していく。
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Causes of Carryover |
モデルマウスの作成が前提の実験系を行うことができず、次年度は、細胞系を中心にKID症候群の病態解析および治療実験を行って行く予定である。
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