2022 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚自然免疫における間葉系細胞のCCL2-CCR2経路を介した制御機構解析
Project/Area Number |
20K17317
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渋谷 倫太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (30823059)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 刺激性皮膚炎 / CCL2 / CCR2 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの結果より、SDS皮膚炎において、皮膚における放射線耐性細胞のCCR2がIL-1β産生を介して、皮膚への好中球浸潤を促進していることを明らかにした。次に、どの放射線耐性細胞のCCR2発現が重要なのか、細胞の選別を試みた。WTマウスのSDS塗布皮膚には単球などCCR2を発現する放射線感受性細胞が豊富に蓄積しており、皮膚の放射線耐性細胞におけるCcr2発現を確実に検出することは困難である。そこで、骨髄キメラマウスのSDS塗布皮膚におけるCcr2発現を調べた。 野生型マウスへCCR2欠損マウス骨髄を移植したキメラマウスのCcr2の発現を調べたところ、SDS塗布皮膚Ccr2のRNA scopeによる蛍光シグナルは観察されなかった。一方で、野生型マウスへ野生型マウス骨髄を移植した群や、CCR2欠損マウスへ野生型マウスの骨髄を移植した群のSDS塗布皮膚においてはCcr2の蛍光シグナルが認められたことから、射線耐性細胞におけるCcr2の発現量が非常に少ないため同定に至らなかったと推定される。 次に、SDS皮膚炎病変部皮膚におけるCCL2、IL-1β産生細胞がどのような細胞なのか、RNA scopeによる同定を試みた。まず、発現細胞の候補を大きく骨髄由来細胞のマーカーであるCD45と間葉系細胞のマーカーであるVimentin陽性細胞に大きく分け、いずれの細胞がCCL2あるいはIL-1βを産生しているかを検証した。その結果、CCL2陽性、IL-1β陽性細胞いずれについても、皮膚のCD45陽性細胞よりもむしろ間葉系細胞のマーカーであるVimentin陽性細胞と共陽性を示した。これらの結果は、SDS皮膚炎における病変部皮膚では間葉系細胞がCCL2やIL-1βの産生源として重要であることを示唆している。
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