2022 Fiscal Year Research-status Report
Chontrol of inflammatory skin diseases by selective Wnt/beta-catenin/CBP signal inhibition
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20K17321
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
広瀬 晴奈 大分大学, 医学部, 助教 (50750915)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | wntシグナル / 乾癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
イミキモドをマウス皮膚に塗布し乾癬様皮膚炎を誘導する系を確立した。そのモデルでは脾臓の重量の増加、皮膚におけるIL-17, IL-23のmRNAの発現増加(PCR法)、血清でのIL-17, IL-23の増加(ELISA法)を伴っていることも確認した。その皮膚炎誘導過程において、選択的Wnt/β-catenin/CBPシグナル阻害剤であるICG-001の腹腔内投与を施行した。皮膚炎抑制効果を認めたハプテン誘導性アトピー性皮膚炎モデルを用いた実験の場合と同様の投与量で解析を行った。その結果、皮膚炎発症に対する効果は、一部では認めるものの顕著では無かった。選択的Wnt/β-catenin/CBPシグナル阻害剤はハプテン誘導性のアトピー性皮膚炎モデルマウスでは皮膚炎抑制効果を来たすことを確認しているが、一方でこの乾癬モデルでは皮膚炎抑制効果が顕著ではなかった点が興味深い点であった。この影響の差異が乾癬とアトピー性皮膚炎との病態の違いの新しい知見の可能性があり、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
皮膚炎の代表的なモデルである乾癬モデルの確立は得られたが、仮説と異なる結果となり、解析に時間をとられているため
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Strategy for Future Research Activity |
効果のあったハプテン誘導型のアトピー性皮膚炎モデルでの影響との比較解析により、乾癬とアトピー性皮膚炎の病態の違い、Wnt/β-catenin/CBPシグナルの皮 膚炎形成における役割の詳細な解明とその阻害の治療上の意義について研究を進めて行く上での基盤が整った。仮説と異なる結果ではあったが、アトピー性皮膚炎との病態の違いを紐解く上での有用な知見と考えられた。
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