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2020 Fiscal Year Research-status Report

頭部血管肉腫の病態に迫る複層的な腫瘍ゲノム変異パターンの解析から治療戦略の構築へ

Research Project

Project/Area Number 20K17323
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

内海 大介  琉球大学, 医学部, 特命助教 (40551958)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords血管肉腫 / エクソーム解析 / 免疫チェックポイント阻害剤 / ドライバー変異 / Mutational signature
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では、次世代シーケンサによる頭部血管肉腫組織の網羅的ゲノム変異プロファイリングを行い、その解析データに基づき下記の3点の課題について検証を行う。1)腫瘍変異量定量により免疫チェックポイント阻害剤の有効性予測、2)分子標的薬ターゲット選定や腫瘍病態理解につながる腫瘍ドライバー変異探索、3)Mutational signature解析による腫瘍発生に関連する要因の解明。現時点で、2)について主に解析が進んでいる。
これまでに9症例の頭部血管肉腫腫瘍組織のエクソームシーケンスおよび遺伝子バリアント抽出を終了している。各検体から抽出された平均バリアント数は280910(標準偏差:51601)であった。このバリアント数は生殖細胞系列バリアントも含むため、ExAC、ESP6500,JGVD 4.7KJPNなどの大規模バリアントデータベースのアリル頻度情報をもとにそれらの除外を行い、腫瘍特異的なバリアント情報の抽出を行っている。本来、腫瘍組織で生じる遺伝子変異を検出するには、腫瘍組織と正常組織のバリアント情報の差分が必要であるが、本研究における問題点として腫瘍組織データのみしか入手できない制限がある。近年、このように臨床的な制限のある状況下でのTumor-onlyのサンプルの変異解析についてのアルゴリズムが多く報告されており、それらの手法を追加して検証を行った。各サンプルのバリアント数は、健常コントロールの末梢血単核球由来DNAのエクソーム解析で得られたバリアント数と統計学的に優位な差が見られなかった。原因としては、DNA抽出に使用した腫瘍組織標本の腫瘍含有量が低かった可能性が考えられた。現在、腫瘍組織標本から高い腫瘍組織含有量を保ったまま、組織を抽出する方法を検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

エクソーム解析に使用する腫瘍由来のDNAは、シーケンスを行うにあたり一定以上の量および質が担保される必要がある。教室内に保存されている血管肉腫組織の中には、不十分な組織量や腫瘍含有量、DNA断片化などの原因から前述の条件を満たさないものが存在する。そのため、解析を行うサンプル由来のDNAのクオリティーチェックを行う必要があり、データ集積に若干の遅れを生じている。

Strategy for Future Research Activity

今後得られる頭部血管肉腫組織標本から逐次ゲノムDNAを抽出しエクソームシーケンスを行う。また、これまでに教室内に保存されている標本についても順次エクソーム解析を行い、併せて約30検体の解析を目標とし、データの蓄積をすすめる。
腫瘍組織由来ゲノムDNAのバリアントを検出し腫瘍に生じた遺伝子変異の検出を継続する。これまでは、バリアントコールにはGATK-haplotyperを用いてきたが、tumo-onlyのサンプルで精度高くバリアントコール可能と報告されているVarDictやMutect2の解析ツールを追加して用い解析を行う。解析にはNGS解析パッケージであるbcbio-nextgenを利用する。
腫瘍に生じた遺伝子変異数を集計し、100万塩基対あたりの腫瘍遺伝子変異量(TMB)を算出する。比較を行う他癌腫は33癌腫、約10000サンプル分のデータを格納するThe Cancer Genome Atlas(TCGA) データベースから取得する。TMBについて血管肉腫と他癌腫と比較することで、免疫チェックポイント阻害剤の奏効予測を行う。
腫瘍ドライバー変異探索については、各腫瘍検体に共通する遺伝子変異からを抽出し、頭部血管肉腫発生の直接的な原因となるドライバー変異と、関連の乏しいパッセンジャー変異を鑑別する必要がある。数多く検出される変異候補から絞り込みを行うために、関連遺伝子の遺伝子発現の評価を頭部血管肉腫とTCGAなどから取得した他癌腫との比較により行う。

Causes of Carryover

本年度のエクソーム解析を行う腫瘍サンプルの収集に遅れが生じている。
サンプルの確保ができ次第、今年度実施予定であったエクソーム解析を次年度に行う予定としている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Carney complex 1 with PRKAR1A mutations presented with multiple repeated skin myxomas:a case report2020

    • Author(s)
      Sakugawa H, Hayashi K, Uema M, Miyagi T, Utsumi D, Yamaguchi S, Takahashi K
    • Journal Title

      The Journal of Dermatology

      Volume: 47 Pages: e122-e124

    • DOI

      10.1111/1346-8138.15254

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Hair abnormality in Netherton syndrome observed under polarized light microscopy2020

    • Author(s)
      Utsumi D, Yasuda M, Amano H, Suga Y, Seishima M, Takahashi K
    • Journal Title

      J Am Acad Dermatol

      Volume: 83 Pages: 847-853

    • DOI

      10.1016/j.jaad.2019.08.024

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] AIの新技術Wide Learningを皮膚病の病態解析や診断の適正化へ用いる試み2020

    • Author(s)
      宮城拓也, 内海大介, 山口さやか, 高橋健造, 柳瀬隆史, 吉田由起子, 浅井達哉, 大堀耕太郎
    • Organizer
      第119回日本皮膚科学会総会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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