2022 Fiscal Year Annual Research Report
進行期乳房外パジェット病における治療効果予測のバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
20K17329
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平井 郁子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00594590)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイオマーカー / 抗PD-1抗体 / 血清プロテインアレイ / 乳房外パジェット病 / 皮膚有棘細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行期乳房外パジェット病(EMPD)において治療前および治療8-9週後の末梢血を用いてプロテインアレイ(抗体マイクロアレイキット(Cancer BioMarker Antibody Array, Full Moon Biosystems)を使用し、血清中の抗腫瘍免疫活性の促進あるいは抑制に働く各種サイトカイン及び関連性を示すタンパク質(可溶性CD抗原、炎症性タンパクなど)等の既知のcancer marker 247種の分子についてELISA法で解析)を実施した。抗PD-1抗体療法前後の解析では、EMPD症例で血清を回収できた症例は2例(部分奏効1例、進行1例)のみであったため、同療法を受けた有棘細胞癌 (SCC)8例(部分奏効3例、進行4例、安定1例)についても解析した。EMPDの奏効例ではangiopoietin-1, EGF receptor等が増加し、 IgG等の減少がみられた。一方、病勢進行例では、adiponectin, apolipoprotein E3, CA19-9, desmin, IgG等が増加し、thrombospondin-1が減少した。IgG に関しては治療前後において奏効例で減少し進行例では増加しており、これはSCC 7症例(部分奏効3例、進行4例)においても同様の傾向がみられた。抗体マイクロアレイで調べた範囲ではこの他の因子で、奏効例、進行例で相関傾向を示すものはなかった。解析症例数が少なく、今後の集積と追加の解析が望まれる。一方、メラノーマ において抗PD-1抗体療法のバイオマーカーとして報告されている可溶性CD163 (ELISA)について解析したところ、SCC(部分奏効1例、安定2例、進行3例)の治療前後にて、部分奏効例では不変であったが、それ以外の症例では増加傾向を示し、SCCにおいてもバイオマーカーとなる可能性が考えられた。
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