2020 Fiscal Year Research-status Report
炎症性皮膚疾患における2型自然リンパ球の遊走能に関する研究
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20K17331
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
永井 諒 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30791545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ILC2 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトのサンプルを用いて、皮膚から末梢血へのILC2の遊走について検討した。hK14mIL33tgマウスは循環血液中のILC2も増加するが、これらも皮膚由来である可能性が高い。従ってリンパ節同様に循環血液中のILC2について、そのフェノタイプを解析した。ヒトのアトピー性皮膚炎患者でも末梢血液中のILC2は増加しており、我々のグループでは、アトピー性皮膚炎患者にデュピルマブを投与すると末梢血液中のILC2の比率が低下している(ILC2/3比率が変化する)ことを見いだした。さらに、その具体的な遺伝子発現を検討した。実験系としては、治療前のアトピー性皮膚炎患者、デュピルマブ投与後のアトピー性皮膚炎患者における末梢血ILC2についてBD Rhapsodyを用いたSingle cell RNA-Seq解析によって網羅的な遺伝子発現解析を行った。以前から、IL-33依存性ILC2の増殖・活性化にはIL-4が必要であることは従来からマウスのin vivoでは正しいことが判明していたが、ヒトでどうなるかはデータが存在しなかった。そこで、ヒトにおいてもIL-4受容体抗体であるデュピルマブの投与はILC2の増殖・活性化を抑制するというのではないかという仮説を今年度は検証した。応募者らの所属する兵庫医科大学病院は、デュピルマブの導入患者数が日本の大学病院でトップクラスであり、他の施設よりも研究に有利であることから、サンプルの収集は順調に推移した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍においても重症アトピー性皮膚炎の患者数は減少せず、予定よりも早くサンプルが収集でき、そのため後述のようにヒトのデータに関しては1年目で論文発表まで達成することができたため、予定より望外に早期に成果が得られた。 しかし、一方マウスを用いた実験計画については、コロナ禍において動物実験施設で必要な消毒やマスクが入手できなくなったこともあり、マウスの飼育を制限したため、予定よりも遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-33は2型サイトカイン産生を促す炎症性サイトカインである。表皮でIL-33を過剰に産生する遺伝子改変マウス(hK14mIL33tg)は皮膚における2型自然リンパ球(ILC2)依存性にアトピー性皮膚炎(AD)の症状を自然発症する。本年度は、hK14mIL33tg マウスと細胞遊走を可視化できるKikGRマウスを交配することで皮膚ILC2の動態を可視化できることを確認したため、引き続き、皮膚病変部と所属リンパ節にILC2などの免疫細胞が遊走する動態を解明していく。プレリミナリーデータでは、AD様の皮膚炎が存在する部位の皮膚ILC2は所属リンパ節に遊走していたため、これらの詳細を解析する予定である。
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Research Products
(5 results)