2020 Fiscal Year Research-status Report
Precision Medicineを目指すアトピー性皮膚炎モデルシステムの確立
Project/Area Number |
20K17343
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
林 良太 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10649213)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | アトピー性皮膚炎 / 3Dスキンモデル / precision medicine |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アトピー性皮膚炎患者の細胞を用いて3Dスキンモデルを作製し、作製した3Dスキンモデル内に様々な治療薬を投与することにより、患者ごとに応じた最適な治療法を検討する研究である。 1年目の研究計画は主に患者の細胞収集、線維芽細胞からiPS細胞への分化誘導およびiPS細胞から表皮細胞への分化誘導である。現在、サンプル数を増やしながら、この過程を思主に行っている。特にiPS細胞から表皮細胞への分化誘導には30-45日程度の時間がかかるが、より効率的な細胞の確保のため、培養液の調整を行っている。 また、サンプルの確保に予想よりも時間を要したため2年目に主に行う予定であった3Dスキンモデルの作製も並行して行っている。3Dスキンモデルの作製には大量の細胞が必要になり、現在、健常人コントロールおよびアトピー性皮膚炎患者の表皮細胞、線維芽細胞を用いて3Dスキンモデルの作製を行っている。前述の通り大量の細胞が必要になるが、継代を繰り返すことにより3Dスキンモデルの質が低下するため、現在、さらにサンプル数を増やして細胞増殖を行っている。また、3Dスキンモデルの作製にあたり、最適な培養液や細胞数の確立を目指し、様々な条件で検討を行っている。結果、より効率的な3Dスキンモデルの作製が行えると考えており、さらに条件を明確化したあとにアトピー性皮膚炎患者の細胞を用いた3Dスキンモデルに治療薬の投与を行っていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定してよりもサンプルの回収に時間を要した影響もあり計画よりもやや遅れている。しかし、主に2年目に行う予定であった3Dスキンモデルの作製と並行していることからやや遅れている程度である。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本的には計画通りに行うが、サンプルの確保に予定より時間を要した。しかし、3Dスキンモデルの作製に関しては効率的に行えるようになってきており、さらに条件面の改善が見込まれれば速やかにアトピー性皮膚炎患者の細胞を用いた3Dスキンモデルに治療薬を投与できると考えている。
|
Causes of Carryover |
患者細胞の確保に時間を要したため、1年目に使用した金額は予定よりも少なくなっている。しかし、今後の研究の進行に伴い予定通りの金額を使用する予定である。
|