2020 Fiscal Year Research-status Report
エピゲノム制御による小胞体ストレス応答を介する薬剤耐性獲得に着目した新規がん治療
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20K17349
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福本 毅 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80778770)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 小胞体ストレス応答 / ヒストン脱アセチル化酵素 / ARID / 細胞老化 / バイオマーカー / 皮膚がん / 悪性黒色腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚がんの中で死亡数の最も多い悪性黒色腫(メラノーマ)において、小胞体ストレス応答(Unfolded protein response, UPR)のエピゲノム制御について解析を進め、UPRを標的とした治療戦略がメラノーマの新規治療になり得る可能性があることを解明した。一方で、当初に想定していたUPRを標的とした治療とエピジェネティクス治療薬のヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase, HDAC)阻害剤との併用戦略はまだ確立できていない。メラノーマを含めた皮膚がんでの変異率が高いSWI/SNF複合体のAT-rich interactive domain-containing protein 2(ARID2)の患者層別バイオマーカーとしての可能性を示す報告が近年多いが、その機序の一つとしてARID2のがん化進展における役割が関与していることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、研究体制が予定通りに維持できず、当初の計画よりやや研究の進捗が遅れている。また、UPRを標的とした治療とエピジェネティクス治療薬のヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase, HDAC)阻害剤との併用戦略に関しては、基盤メカニズムの確立に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
UPRを標的とした治療とエピジェネティクス治療薬のヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase, HDAC)阻害剤との併用戦略に関する基盤メカニズムの確立を急ぐ。ARID2のがん化進展における役割を証明したが、さらに解析を進め、がん化進展におけるエピゲノム制御の制御機構の解明を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、研究体制が予定通りに維持できず、特にUPRを標的とした治療とエピジェネティクス治療薬のヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase, HDAC)阻害剤との併用戦略の基盤メカニズムの検証実験が遅れている。さらに、同様の理由から学会出張なども全く行えなかった。今後の計画としては、UPRを標的とした治療を軸とした併用戦略の基盤メカニズムの確立に向けて、培養細胞を使用した実験と動物実験を並行して行い、加えてがん化進展におけるエピゲノム制御の解明を進める。
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Research Products
(7 results)