2020 Fiscal Year Research-status Report
新規AIによる病態関連遺伝子群の複合的抽出による皮膚型ATLの鑑別アルゴリズム
Project/Area Number |
20K17354
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮城 拓也 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00631988)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 成人T細胞白血病リンパ腫 / 皮膚リンパ腫 / 菌状息肉症 / 新規人工知能 / トランスクリプトーム解析 / 鑑別アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄はHTLV-1 キャリア率が世界的にも非常に高く、皮膚型成人T細胞白血病リンパ腫の患者数も極めて多いが、この皮膚型成人T細胞白血病リンパ腫 と他の皮膚T 細胞リンパ腫との鑑別は、当地では必ずしも容易ではない。現状ではHTLV-1 の単クローン性の組み込みと、T 細胞受容体の再構築をサザンブロットで証明しているが、この手法ではHTLV-1 に感染したT 細胞が、皮膚型成人T細胞白血病リンパ腫 として腫瘍化したのか、皮膚型成人T細胞リンパ腫発症の機序以外によって皮膚リンパ腫を発症したのかを、全く鑑別できない。本課題では、皮膚型成人T細胞白血病リンパ腫 と他の皮膚リンパ腫の腫瘍組織のRNA 発現パターンを、新開発の国内AI を用いて網羅的に解析し、各リンパ腫に特徴的な遺伝子群を複合的に抽出する。それに基づき、これらを鑑別しうる病理学的な診断マーカーを特定し、皮膚リンパ腫の鑑別アルゴリズムを確立したい。さらに、皮膚型成人T細胞白血病リンパ腫 の腫瘍化機序に直結する疾患特異的な遺伝子発現や、ドライバー変異を探索する課題である。 これまでに、通常の皮膚科診療で診断に使用された病理標本と、その臨床経過を含めて再検討し、HTLV-1ウイルスの細胞数当たりのウイルスコピー数が10コピー/100細胞以上で典型的な皮膚型成人T細胞白血病リンパ腫と断定できる標本を選別している。選別した組織よりRNAを抽出し、トランスクリプトーム用ライブラリーの基質とし、網羅的遺伝子発現の生データを取得することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
沖縄県は皮膚型ATLの検体は豊富でパラフィン組織は豊富に保存されているが、その中で、臨床情報および、ウイルス学的検討を含めて検討しているため、特定に時間を要した。また、選別した標本からのRNA抽出が質もしくは量が不十分となるものがあった。そのため、検体の再提出や新しく検体の選定を行い、再度提出しており、当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に取得したトランスクリプトームデータを、GTExから得られた皮膚の標準的な遺伝子発現量をベースにバイナリ化し、AIで学習してもらう。また、標本数が足りず、AIでの解析が難しい場合、講座内でマクロデータに落とし込み、DeseqやedgeRなどの専用解析ライブラリやLasso回帰、主成分分析の因子負荷量計算など複数の統計学的解析を行い、階層状に絞り込みを行う。 上記の発現解析で得られた鑑別に関連する遺伝子群や、新たに発見された表現型マーカーについて、成人T細胞白血病リンパ腫および菌状息肉症の皮膚病理検体においてリアルタイムPCRおよび免疫組織学的に検証する。
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Causes of Carryover |
次年度にも解析する検体の追加があると予想され、遺伝子特定後にタンパクの解析(免疫染色)を使用するため一部を繰り越した。 トランスクリプトーム解析と免疫染色の抗体購入費用として使用予定である。
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[Journal Article] Mycobacterium tuberculosis infection in psoriatic patients treated with biologics: Real-world data from 18 Japanese facilities. Western Japan Inflammatory Disease Research Group2020
Author(s)
Kaneko S, Tsuruta N, Yamaguchi K, Miyagi T, Takahashi K, Higashi Y, Morizane S, Nomura H, Yamaguchi M, Hino R, Sawada Y, Nakamura M, Ohyama B, Ohata C, Yonekura K, Hayashi H, Yanase T, Matsuzaka Y, Sugita K, Kikuchi S, Mitoma C, Nakahara T, Furue M, Okazaki F, Koike Y, Imafuku S.
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Journal Title
J Dermatol
Volume: 47
Pages: 128-132
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 琉球大学附属病院皮膚科の2019年度の紹介患者の報告2020
Author(s)
宮城拓也, 工藤真未, 小濱望, 新城愛, 下地志月, 伊藤誠, 小松恒太郎, 松尾雄司, 林健太郎, 山口さやか, 山本雄一, 高橋健造
Organizer
第90回沖縄地方会
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