2020 Fiscal Year Research-status Report
表皮融解性魚鱗癬の皮膚における機械的ストレス受容機構と角化異常の機序解明
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20K17358
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
木村 未歩 自治医科大学, 医学部, リサーチ・レジデント (00839920)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 表皮融解性魚鱗癬 / ケラチン1変異 / 先天性遺伝子疾患 / 角化異常 / 機械的ストレス / KRT1 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9システムを利用し、患者と同じケラチン1変異を導入し、実験には患者と同じヘテロでこの変異を持つマウスを使用する予定であった。実際にゲノム編集を実施したものの、先天性の皮膚疾患のため生まれた仔の生存率が極端に低く、人工授精させて生まれた60匹ほどのマウスのうち目的のSNPが導入されたマウスは♂1匹のみであった。得られたF0♂まうすと野生型♀マウスを交配しF1を得ようと試みたがやはり生存率が低いため現時点でF1♀1匹のみである。このF1と野生型♂マウスを交配しているが、いまだに陽性のF2マウスが得られていない。 培養細胞を用いた実験も予定しており、ヒト正常表皮細胞であるケラチノサイトに患者と同じケラチン1変異を発現させるアデノウィルスを作成した。目的の変異ケラチン1を発現するアデノウィルスは完成させたが、実験系で必要な十分量のウィルスが得られていないため、高力価になるよう増幅・精製を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
患者と同じケラチン1変異を導入した、ゲノム編集マウスは生存率が極端に低く、実験に十分なマウスが得られなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスを用いた実験系ではCRISPR/Cas9で再度F0マウスを得るところから開始し、なるべく多くのSNP導入マウスを得られるようにする。 培養細胞を用いた実験系では、アデノウィルスの濃縮。精製を行い十分量のアデノウィルスを得たら、ケラチノサイトに感染させて、遺伝子発現がどのような変化をするかを検討する。場合によってはマイクロアレイを実施する。
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Causes of Carryover |
初年度はゲノム編集に資金を使用する予定であったが、マウスが得られず再度実施することとなり支払いに至らなかったため。アデノウィルス作成のための材料は研究室にそろっていたため資金を使用することがなかった。
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