2020 Fiscal Year Research-status Report
慢性移植片対宿主病と肝類洞閉塞症候群に対する線維化特異的バイオマーカーの開発
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20K17366
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大東 寛幸 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (20845284)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HSP47 |
Outline of Annual Research Achievements |
同種造血細胞移植後の重要な合併症として慢性GVHDがある。慢性GVHDの病理学的な特徴として臓器線維化があり、移植後の皮膚や涙腺、唾液腺においてHSP47が高発現していることを我々は確認しており、慢性GVHDのバイオマーカーとして血清HSP47が有用となるかを確認するために実験を行った。まず皮膚を代表とした広範な線維化を発症する慢性GVHDマウスモデルを用いて実験を行った。移植後28日目の血清を採取しHSP47をELISA kitを用いて測定したところ、allogeneic群、syngeneic群ともにHSP47は感度以下で測定できなかった。そこでその際のマウス皮膚を病理検体としてmasson trichrome染色を行い線維化が発症しているかを確認したが、allogeneic群で問題なく皮膚線維化を発症していた。また、蛍光免疫染色も行ってHSP47を発現する細胞が増加しているかどうかを確認したが、皮膚、唾液腺、涙腺のいずれにおいてもHSP47陽性細胞が線維化部位に一致して増加していることを確認した。今回使用したELISA kitはブレオマイシンを用いた皮膚線維化モデルで血清HSP47を検出しており、今回の移植モデルにも使用した。しかし今回の実験では血清HSP47を検出することができなかったため、今後はブレオマイシンモデルでHSP47を血清で測定できるのかを確認するとともに、今後は他のELISA kitの使用や解析日の再検討を行い研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で動物実験を進めることが困難になったことが最大の要因である。さらに最初に用いたELISA kitでHSP47を上手く検出することができず、実験方法の再検討を行っているからである。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍は依然として猛威を奮っているが、現在は徐々に研究室も再開しており動物実験を進めやすくなってきている。血清マーカーの検出はまず動物実験を行った後にヒト検体を用いることを想定していたが、今後の研究計画次第ではヒト検体を用いたpreliminaryな検証を行うことを考えている。
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