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2020 Fiscal Year Research-status Report

Adoptive immunotherapy for adult T-cell leukemia/lymphoma with ex vivo expanded multi-tumor associated antigen specific cytotoxic T-cells

Research Project

Project/Area Number 20K17375
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

葉名尻 良  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40861810)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords免疫療法 / 細胞療法 / 抗原特異的T細胞 / キメラ抗原受容体 / 成人T細胞白血病
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では、ATLに対して複数抗原を標的とするT細胞製剤の開発を目指し研究を行った。そのために、まず、健常ドナーからNY-ESO-1抗原を含む成人T細胞白血病(ATL)に対する腫瘍特異的T細胞、またはATLウイルス抗原であるTax特異的T細胞を誘導できるかについて個別に検討した。HLA-A2陽性の成人ドナー由来の末梢血単核球から磁気ビーズにてCD8を単離した。HLA陰性の白血病細胞株K562にHLA-A2を遺伝子導入により発現させ、HLA-A02:01拘束性のNY-ESO-1(SLLMWITQC)またはTax(LLFGYPVYV)由来ペプチドを添加し、放射線照射(100Gy)後に抗原提示細胞として用いた。IL-6, IL-7, IL-12, IL-15添加下で共培養し、抗原提示細胞による刺激を週1回、合計2回繰り返した。刺激後のT細胞の抗原特異性について、細胞内サイトカイン染色にてフローサイトメトリーで評価した。今回の検討では、2回目刺激後にTax特異的T細胞でIFN-γの発現を認め、Tax特異的T細胞を誘導することが可能であった。一方、NY-ESO-1特異的T細胞ではIFN-γの産生を認めず、特異的T細胞を誘導することはできなかった。
また追加として、腫瘍抗原と考えられるWT-1特異的T細胞の誘導を試みた。HLA-A02:01拘束性のWT-1(RMFPNAPYL)由来ペプチドを添加し同様の方法を用いた。WT-1についてもNY-ESO-1と同様に特異的T細胞の誘導はできなかった。
したがって、本研究ではこれまでのところ、ウイルス抗原であるTax特異的T細胞は容易に誘導できるが、腫瘍抗原であるNY-ESO-1およびWT-1特異的T細胞の誘導は困難であることが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題の現在までの進捗状況はやや遅れている。特定のHLA拘束性を有する単一抗原ペプチドでT細胞を刺激し、腫瘍抗原特異的T細胞の誘導を試みたが、この方法では特異的T細胞の誘導にやや難渋しているためである。とくにこれまで報告されている特異的T細胞誘導の際に用いるサイトカインであるIL-6、IL-7、IL-12、IL-15の使用や、我々のグループが開発したPD-L1を高発現する抗原提示細胞を用いるなどの工夫を行ったが、特異的T細胞の誘導は困難であった。そのため、当初の計画であったオーバーラッピングペプチドを用いた刺激法に移行できないでいる。
用いた単一ペプチドは既知のHLA拘束性を有し、高親和性であると考えられたが、それでも特異的T細胞の誘導はできなかった。オーバーラッピングペプチドを用いる方法は、未知でありかつ低親和性T細胞の誘導が目的であるため、ATL抗原を標的とするT細胞作製法は、本方法を断念し別方法を試みる予定である。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題では、複数抗原を認識するT細胞養子免疫療法を目指し、まず健常ドナー由来T細胞を用いて、腫瘍特異的T細胞の誘導を試みた。Taxは腫瘍特異的抗原であると同時に、ATL細胞に感染しているHTLV-Iウイルス抗原であるため、比較的容易に特異的T細胞が誘導可能であったと考えられた。一方、NY-ESO-1は一部自己抗原と考えられるため、NY-ESO-1に対する高親和性T細胞は胸腺で負の選択を経ていると考えられ、今回の方法では特異的T細胞を誘導することはできなかった。以上より、腫瘍抗原ペプチドを用いた特異的T細胞誘導は困難であると考えられた。
近年、養子免疫療法の細胞源として臍帯血由来T細胞が注目されている。その理由として、臍帯血に含まれるT細胞は成人ドナーとは異なる新規の抗原エピトープを認識する可能性があり、免疫逃避を生じにくいと考えられているためである。さらに、臍帯血は低いHLA適合度が許容されるため、患者体内で拒絶されにくい可能性が挙げられる。そのため、今後は、細胞源として臍帯血由来T細胞を用いて、T細胞受容体遺伝子導入T細胞およびキメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞について検討を進めてゆく予定である。すでにNY-ESO-1特異的T細胞コンストラクトおよびCD19特異的キメラ抗原受容体は入手しており、レトロウイルス法により遺伝子導入を行う準備ができている。

Causes of Carryover

当初の計画であった、単一ペプチドを用いてT細胞を刺激し腫瘍特異的T細胞を誘導する試みに難渋しており、別方法について考案していたため、次年度使用額が生じた。単一ペプチドを用いた方法では簡便に特異的T細胞を誘導することは困難であるため、具体的には、レトロウイルス遺伝子導入法を用いた腫瘍特異的T細胞およびキメラ抗原受容体遺伝子導入を試みる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Composite CD79A/CD40 costimulatory endodomain enhances CD19CAR-T cell proliferation and survival2021

    • Author(s)
      Julamanee Jakrawadee、Terakura Seitaro、Umemura Koji、Adachi Yoshitaka、Miyao Kotaro、Okuno Shingo、Takagi Erina、Sakai Toshiyasu、Koyama Daisuke、Goto Tatsunori、Hanajiri Ryo、Hudecek Michael、Steinberger Peter、Leitner Judith、Nishida Tetsuya、Murata Makoto、Kiyoi Hitoshi
    • Journal Title

      Molecular Therapy

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1016/j.ymthe.2021.04.038

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 高IgE症候群に併発したDLBCLの化学療法中に膿瘍を合併するもドレナージ術にて安全に治療可能であった1例2021

    • Author(s)
      葉名尻 良、川島 直実、牛島 洋子、島田 和之、石川 裕一、寺倉 精太郎、西田 徹也、村田 誠、清井 仁
    • Organizer
      第10回日本血液学会東海地方会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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