2022 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー骨髄由来M2マクロファージによる急性GVHDの新規治療
Project/Area Number |
20K17376
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
花木 良 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40780408)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GVHD / M2 macrophage |
Outline of Annual Research Achievements |
ドナー単球由来のM2マクロファージはT細胞の活性化を抑制しGVHDを抑制することが可能である事を発見し、その他にも、GVHDには単球由来の炎症性M1マクロファージが重要な役割を生じている事が明らかになり、加えて、ドナー単球由来の抗炎症性M2マクロファージの存在がT細胞の活性化をcell-to-cell contactにより抑制することで、GVHD抑制につながることを立証した。また、研究結果を「Donor‐derived M2 macrophages attenuate GVHD after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation 」Hanaki et al. Immun Inflamm Dis.2021;1-11.として報告しております。近年、難治性白血病に対してHLA半合致移植が選択されることが増えており、移植免疫に伴う抗腫瘍効果が期待される一方、合併症であるGVHDが重症化するリスクを患者様は抱えておられます。現在の治療薬のみでは、重度な急性GVHDを一度発症すると、その制御が困難なだけでなく重篤な感染のリスクを高めることも懸念されます。こうした両課題を制御する治療薬は現在存在しておらず、本研究はM-CSFや抑制性サイトカインを用いることで炎症性M1 macrophageを抗炎症性M2macrophageへ誘導することでGVHDを軽減し、また、治療としてのみでなく、急性GVHD発症の予防にもつながる非常に有意義な研究結果であると考えます。今後は本研究結果を元に、更に安全かつ効果的にGVHD抑制につながる治療法の開発を進めていきたいと考えております。
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