2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K17378
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
数藤 孝雄 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80631184)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / ニッチ / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞の特徴は自己複製能と多分化能を有することであるが、その維持・調節のためには造血幹細胞を取り巻く周囲環境(ニッチ)が重要な働きをすることが示されてきた。しかし、これまで造血幹細胞が骨髄内でニッチとどのような関係で存在するのかについて時空間的な解析がなされていなかった。 そこで本研究では、レポーターマウスを用いて、in vivoで可視化した造血幹細胞の動きや、骨髄ニッチ細胞との時空間的な位置関係を明らかにすることを目的とした。 まず造血幹細胞を特異的に標識するレポーターマウスから骨髄細胞を採取し、放射線照射した野生型マウスに移植し、約2か月後に、二光子励起顕微鏡を用いて骨髄内の生体イメージングを長時間行った。この系において移植後定常状態となった造血幹細胞を可視化することに成功し、血管内皮及び骨組織と造血幹細胞との距離を精緻に解析した。結果として、造血幹細胞の骨髄内での動き(スピード)を1細胞レベルで明らかにすることに成功した。さらに、骨芽細胞を標識するレポーターマウス、及びストローマ細胞を標識するレポーターマウスをレシピエントとして、同様の移植後生体イメージングを行った。これにより、造血幹細胞とニッチ(血管内皮、骨芽細胞、ストローマ細胞)との経時的な位置関係が明らかとなった。本研究のこれまでの結果から、造血幹細胞は特定のニッチ細胞に接着しながら動いていることが示唆された。現在、ニッチを阻害する薬剤投与によって造血幹細胞の動きがどのように変化するのかについての詳細な解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の一つであるin vivoで可視化した造血幹細胞の動きや、骨髄ニッチ細胞との時空間的な位置関係を明らかにすることに既に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在ニッチを阻害する薬剤投与によって造血幹細胞の動きがどのように変化するのかについての詳細な解析を行っている。更にストレスなどの骨髄環境の変化によって生じる造血幹細胞の動態のゆらぎを明らかにする。得られた研究成果を通じて、造血幹細胞の体外増幅法の開発や白血病等の新規治療法開発への足掛かりとする。
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Research Products
(7 results)