2020 Fiscal Year Research-status Report
同種造血細胞移植における機械学習による患者個別の最適移植法提案システムの開発
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20K17386
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岡村 浩史 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (00803149)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械学習 / 造血幹細胞移植 / 予後予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
同種造血細胞移植治療において、機械学習による患者個別の予後予測や最適治療提案を実臨床に活用する目的に向け、第一段階として同種造血細胞移植における予後予測モデルの予測精度の検討を行った。 当院で同種造血細胞移植治療を行った363例において、これまで予後因子として報告されている移植時の患者年齢、refined Disease Risk Index、HCT-CI、performance status、ドナーソース、HLA一致度、前処置強度を説明変数とし、移植1年後の全生存、無再発生存、再発、非再発死亡の予測精度を検討した。 その結果、生存解析に対応した機械学習モデルであるRandom Survival Forestによる移植1年後の予後予測精度は、従来予後予測モデルとして用いられてきたCox比例ハザードモデルの予測精度に匹敵していた。さらに、我々は患者個別の生存曲線及びイベント発症曲線を簡便に描画できるWebツール(https://predicted-os-after-transplantation.shinyapps.io/RSF_model/)を開発し、論文報告を行った。(Transplantation. 2020 Jun 11.)診療現場において本ツールを用いることで、これから同種造血細胞移植を予定している患者個別の移植予後予測結果を可視化することができ、移植の意思決定支援に役立てることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
造血幹細胞移植の予後予測モデルとして、Random Survival Forestの予測精度検証を行い、論文報告を行った。 現在、機械学習による予後予測精度と最適治療提案の妥当性を臨床医のものと比較する研究について、倫理委員会の承認を得た上で、着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在仕掛中の研究について、遂行していく。 近年、生存解析に対応した機械学習モデルとして、Random Survival Forestの他にも様々な機械学習モデル開発とその報告がなされており、造血幹細胞移植領域においても複数の機械学習モデルの精度検証を行うことができるよう調査を進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックにより、国内・国外への学会参加が事実上不可能となり、旅費の支出が発生しなかった。また専門家から機械学習やツール開発の支援を頂くことも困難となり、謝金の支出が発生しなかった。 機械学習解析やツール開発の技術習得については、可能な限りオンライン開催の学習教材購読に切り替えると共に、移動制限解除が行われた場合には、国内及び国外の学会参加を行う予定である。
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Research Products
(2 results)