2021 Fiscal Year Annual Research Report
C/EBPα変異とBcl11aの協調作用によるAML発症・悪性化機序の解明
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20K17389
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
角南 義孝 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 研究員 (50732864)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 骨髄生着 / Bcl11a / Asb2 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、AML細胞内でBcl11aがリクルートするコリプレッサーとしてLSD1/HDAC1/2を明らかにし、これらに対する阻害剤を用いた解析によりBcl11aの新規標的遺伝子として、E3ユビキチンリガーゼであるAsb2を同定した。今年度は、Asb2のAMLにおける役割についての解析を中心に研究を進めた。 まず昨年度に作成した、Trib1/Bcl11a AML細胞 (TB-13)にAsb2を過剰発現させた細胞株を用いて、マウス移植実験を行い、白血病発症が阻害されることを確認した。次にBcl11aによるAsb2制御が、AML発症に重要な役割を担っていることを示す目的で、Asb2のエンハンサー領域で、Bcl11a/PU.1が結合している領域をCRISPR/Cas9システムを用いて削除した変異体を作成し、これをTB-13細胞へ導入した。この変異体発現TB-13細胞は、Asb2発現が亢進し、Asb2過剰発現TB-13細胞と同様に、in vitroで細胞増殖能・自己複製能が低下し、細胞遊走能や接着能が低下した。さらに、この変異体発現TB-13細胞をマウスに移植すると、骨髄生着が阻害された。反対に、Trib1のみを発現するAML細胞 (Tr1)を用いて、Asb2をノックダウンしたところ、Asb2の基質であるfilamin Aの発現が亢進し、細胞遊走能や接着能が回復した。またBCL11Aを高発現するヒトAML細胞株HL-60においても、BCL11AノックダウンやLSD1/HDAC阻害剤がASB2発現を回復させることを確認し、データベースを用いたAML患者コホートの解析により、BCL11AとASB2の発現が逆相関関係にあることを示した。 以上より、Trib1がC/EBPaを分解する一方でBcl11aがPU.1の機能を抑制し、両者の機能によりAMLの悪性化を進展させていることが示唆された。
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[Journal Article] Patient’s age and d-dimer levels predict the prognosis in patients with TAFRO syndrome2021
Author(s)
Kawabata H, Fujimoto S, Sakai T, Yanagisawa H, Kitawaki T, Nara K, Hagihara M, Yamamoto H, Tanimizu M, Kato C, Origuchi T Sunami K, Sunami Y, Masunari T, Nakamura N, Kobayashi M, Yamagami K, Miura K Takai K, Aoki S, Tsukamoto N, Masaki Y
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Journal Title
International Journal of Hematology
Volume: 114
Pages: 179~188
DOI
Peer Reviewed
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