2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K17406
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
木村 俊一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70623031)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgG / B細胞受容体レパトア / 肺炎球菌 / インフルエンザ桿菌 / 莢膜を有する細菌 / IGHV / IGHV-CDR3 / 液性免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
同種移植後のIgG B細胞受容体レパトアと肺炎球菌、インフルエンザ桿菌などの莢膜を有する細菌感染症との関連について保存検体を用いて研究を実施した。当科で同種移植後に莢膜を有する細菌による感染症を発症した10例を患者群に設定、背景を合わせた対照群10例を選定した。患者群はさらに、繰り返し感染症を起こした5症例(Repeated群)と1回のみの5症例(One-episode群)に分類した。レパトア解析は対照群では移植後半年、1年の2回、患者群では感染症発症時に行った。感染症は移植後の中央値で385日(169-1007日)でみられた。多様性指数であるシャノン指数は対照群[6か月]、One-episode群、Repeated群で優位差はみられなかった(7.94±1.31 vs. 8.31±1.06 vs. 6.17±2.95, P=0.16)。Variable遺伝子(IGHV)に着目すると、IGHV3-11、IGVH4-59の使用が患者群で有意に少なく、Repeated群、One-episode群、対照群の順で増加した(IGHV3-11, 0.43 vs. 0.97 vs.1.53%, P=0.02; IGHV4-59, 2.17 vs. 3.28 vs. 4.78%, P=0.092)。IGHV-CDR3のアミノ酸(AA)長に着目すると、全体のクローンは正規分布でしており、最も多いのが16AA(13.7%)で、17AA(11.2%)がそれに続いた。Repeated群では17AA(17.7%)と21AA(16.7%)の頻度が高く、16AA(4.4%)は低かった。Repeated群では17AA、21AAのAAモチーフの多様性の低下がみられた。IGHV3-11とIGHV4-59の使用の減少、IGVH-CDR3でのAA長の変化や多様性の低下が感染症発症に関連している可能性が示唆された。
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