2020 Fiscal Year Research-status Report
Clarifying clonal architecture diversity of leukemia dervied from myelodysplastic syndromes
Project/Area Number |
20K17412
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
永田 安伸 日本医科大学, 医学部, 助教 (90739575)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 骨髄異形成症候群 / クローン進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子変異を持つ実際の患者に最も有効な治療法を選択する手法は未だ定まっていないため、経時的試料を解析することで、腫瘍化を促進させ最終的に白血病に進展する腫瘍発症メカニズムを明らかにし、新たな治療戦略の構築に資することを目指している。 今年度の具体的内容は、特徴的な染色体異常を有している典型的症例の試料収集が可能であった。具体的には200症例程度のMDSから実際に急性白血病に進展している症例の蓄積が可能であり、パイロットケースとして24試料の解析を行った。次世代シークエンサーで解析し体細胞性変異を抽出、白血病発症前後でそれらを比較することで消失するクローン、拡大するクローンの同定が可能であった。 少数例ではあるものの着実に目的達成に向けて想定した手法が問題なく稼働することを確認できた点は意義があると考えられる。今後は解析症例数を増やし、さらなるクローン進化の特徴を明らかにすることでより統計学的検出力を高めていく。 遺伝子異常を特異的に阻害もしくは活性化する抗がん剤の開発が進んでおり、新たに保険適用となったFLT3阻害剤やBCL2阻害剤など保険収載され実際の臨床現場でも使用可能になっている。これらは患者ごとのサブグループ解析において、良好群と不良群に分けられ、遺伝子異常の有無により治療反応性が異なる可能性が示唆されている。 今後、これらの治療反応を遺伝子異常を用いて予測し、個々の患者における最適な治療法選択の一助になるという点で非常に重要性が高い。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
典型的な症例を蓄積し、パイロットケースとして、DNA抽出、次世代シークエンス解析、以降の二次解析が問題なく執り行えた。DNAのクオリティが担保され、解析パイプラインの構築が行えたことから、概ね順調に進行していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はさらなる症例の蓄積、解析試料を増やすことで、様々な白血病進展パターンの同定を目指していく。
|
Causes of Carryover |
症例の蓄積、DNA試料の収集数の最終的な見込みが不透明であり、次世代シークエンサー用の実験試薬には使用期限があるため、次年度分へ発注がずれこんだ。
|
Research Products
(3 results)