2021 Fiscal Year Annual Research Report
DLBCL,NOSの血算値に基づく新規予後予測指標の確立及び血球減少の病態解明
Project/Area Number |
20K17413
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中山 聖子 近畿大学, 医学部, 非常勤講師 (90755977)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・非特異型 / 貧血 / 血小板減少 / interleukin-6 |
Outline of Annual Research Achievements |
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・非特異型 (DLBCL,NOS) のパラフィン包埋された生検リンパ節組織ブロックから111検体の薄切標本を作成し、interleukin-6 (IL-6) 抗体を用いて免疫組織染色を施行した。その結果、DLBCL,NOSはIL-6陽性群と陰性群の2群に分かれることが分かった。さらに、予後に関する病理学的因子との関連性について検討したところ、IL-6発現とKi67 index、MYC発現およびbiologic phenotype (double expressor/non-double expressor) に関連性はなかったが、IL-6陽性群はIL-6陰性群と比較してnon-GCB typeがGCB typeより有意に多かった。Activated B-cell typeでは、NFκB経路関連因子であるCD79B、MYD88などにシグナル伝達を活性化する変異が集積するという報告や、IL-6はJAK1/STAT3経路を介してautocrine growth factorとして働くとの報告があることから、IL-6陽性DLBCL,NOSの病態にNFκB/JAK1/STAT3 pathwayが関連していることが示唆された。 次に、IL-6発現とDLBCL,NOS患者の白血球数、ヘモグロビン値および血小板数との関連性を検討した。その結果、IL-6陽性群は陰性群と比較して、ヘモグロビン値および血小板数が有意に低かった。白血球数に差は認められなかった。また、IL-6はアルブミンの合成を抑制する一方、C-reactive protein (CRP) の生成を促進することから、DLBCL,NOS患者のヘモグロビン値および血小板数と血清アルブミン値および血清CRP値との関連性を統計学的に解析した。その結果、ヘモグロビン値は血清アルブミン値と有意な正の相関、CRP値と有意な負の相関関係を示した。血小板数についても血清アルブミン値と有意な正の相関関係を示し、CRP値とは負の相関傾向を認めた。 本研究により、DLBCL,NOSに随伴する貧血及び血小板減少には腫瘍細胞が産生するIL-6が関与している事が示された。本研究成果は、血球減少の病態解明や抗サイトカイン療法など新たな治療法の開拓につながる。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Novel prognostic predictor of haemoglobin -platelet index in diffuse large B-cell lymphoma, not otherwise specified: anaemia and thrombocytopenia are associated with IL-6 production in lymphoma cells2022
Author(s)
Takahide Taniguchi, Shoko Nakayama, Hirokazu Tanaka, Shinya Rai, Chikara Hirase, Yasuyoshi Morita, Yoichi Tatsumi, Takashi Ashida, Mitsuhiro Matsuda, Shigeo Hashimoto, and Itaru Matsumura
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Journal Title
British journal of haematology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed