2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢発症関節リウマチにおけるCD8陽性制御性T細胞の機能解析
Project/Area Number |
20K17418
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
渡部 龍 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40723218)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 高齢発症関節リウマチ / CD8+制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都大学医学部附属病院リウマチセンターにて82例の関節リウマチ(RA)患者と6例の健常人より末梢血単核球(PBMC)を採取し、併せて血漿保存を行った。 そのうち、20例のRA患者と4例の健常人のPBMCを用いて、CD4+FoxP3+制御性T細胞(CD4+Treg)とCD8+FoxP3+制御性T細胞(CD8+Treg)の割合をフローサイトメトリーを用いて比較検討した。 健常人とRA患者ではCD4+TregやCD8+Tregの割合は有意差を認めなかった(P=0.97, P=0.36)が、高齢発症関節リウマチ(EORA)患者では、若年発症関節リウマチ(YORA)患者と比べ、有意にCD8+Tregの割合が低かった(P=0.027)。EORAとYORAでは、CD4+Tregの割合は有意差を認めなかった(P=0.27)。これは、本研究の仮説通りの結果であった。 これらの結果から症例数を増やして検討することとし、健常人1例と20例のRA患者のPBMCを用いて、フローサイトメトリーを行い、現在解析を行っている。 割合のみならず、患者のリンパ球数と割合から、絶対数の統計学的な有意差検定も行っている。 さらに、CD8+Tregの割合とRAの疾患活動性や、患者VAS、医師VASの相関解析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究責任者の異動により、新たに研究施設をセットアップしたことが大きい。また、コロナ禍による臨床的な負担の増加のため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究のセットアップはおおよそ終了し、フローサイトメトリーやPCRなどは新たな施設で可能となった。EORAでは、YORAと比較し、CD8+Tregの頻度が低下していたことを、今後、健常人およびRA患者の症例数を増やして、詳細な検討を行う。また、CD8+Tregの頻度と、RAの疾患活動性指標との相関、またRA患者の血漿中のサイトカインを測定し、CD8+Tregとの相関を検討する。 本研究内容を今後、アジア太平洋リウマチ学会や、日本リウマチ学会にて発表を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
研究に必要な物品の購入はおおむね完了したが、まだ研究計画の途中であるため
|
Research Products
(10 results)