末梢ヘルパーT (Tph) 細胞は関節リウマチ発症予防の治療標的となるか

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20K17432
• Research Institution: Tokyo Women's Medical University
• Principal Investigator: 高田 秀人 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00866915)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 関節リウマチ / 抗CCP抗体 / フローサイトメトリー / マスサイトメトリー

Outline of Annual Research Achievements

令和2年度は、フローサイトメトリーを用いて、抗CCP抗体陽性関節炎未発症RAハイリスク者（at risk者）、抗CCP抗体陽性早期RA患者（RA患者）、および健常者の末梢血のメモリーCD4陽性T細胞に占める末梢ヘルパーT細胞 (Tph細胞) と濾胞ヘルパーT細胞 (Tfh細胞) の頻度と、それらの細胞の活性化マーカーの発現を解析した。その結果、循環Tph細胞はRA患者では増加していたが、at risk者では増加していなかった。循環Tph細胞上のHLA-DRの発現は、健常者と比べて、at risk者とRA患者の両群において亢進していた。
令和3年度は、結果の再現性を検討することと、循環Tph細胞の頻度や活性化とそのほかの細胞集団との相関を検討することを目的とし、マスサイトメトリー解析を行った。各群18例の末梢血単核細胞を、T細胞サブセット、B細胞サブセット、自然リンパ球、NK細胞、樹状細胞、単球を識別可能とする金属標識抗体で染色し、フリューダイム株式会社のマスサイトメーター（Helios）で3回に分けて測定した。
次年度以降は、得られたデータをコンピュータ解析する予定である。具体的には、アンカーサンプルのデータを用いて測定間のばらつきを調整後、t分布型確率的近傍埋め込み法(tSNE)による次元削減やCITRUS（cluster identification, characterization, and regression）を用いて、群間の差を比較する予定である。