2022 Fiscal Year Research-status Report
PDEに注目した強皮症の病態解明と新規治療法の開発
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20K17456
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
樋口 智昭 東京女子医科大学, 医学部, 特任講師 (80836966)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 強皮症 / 線維化 / PDE阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
強皮症皮膚線維芽細胞および強皮症モデルマウスに対するアプレミラストの線維化抑制作用についての検討を引き続き行なっており、今年度は昨年度までの実験で足りない点を補うとともに、データを論文発表できるような形でまとめた。具体的には、強皮症皮膚線維芽細胞からのI型コラーゲンや細胞外マトリックスの酸性、ブレオマイシン誘導皮膚硬化モデルマウスを用いた皮膚硬化の改善、αSMA陽性筋線維芽細胞数や、CD3陽性細胞、マクロファージ発現数が、アプレミラストによる治療でどのように変化するかについて、実験データをまとめ、現在論文投稿中である。今年度もコロナ禍ということもあり、積極的な学会発表ができなかった。また、我々のプロジェクトについても、皮膚硬化だけでなく、肺線維症もPDE阻害薬の治療ターゲットとして有望と考えられたが、実際にPDE4B阻害薬の特発性肺線維症患者に対する有効性が報告された(Richeldi L, et al., NEJM, 2022)。我々も、肺線維症モデルに対するPDE阻害薬の線維化抑制作用が検討できないか予備実験を開始し、ブレオマイシン肺線維症モデルマウスを用いて肺線維症を再現することができた。今後はPDE4のみにとどまらず他の PDEについても検証を行うとともに、強皮症患者の最大の予後規定因子となる肺線維症に対するPDE阻害薬の有効性、線維化抑制作用という点についても検証をすすめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果をまとめ、学会発表を行うことができた。研究期間中での論文発表には至らなかったが、現在論文投稿中で、近いうちにアクセプトが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後研究対象をより広げて「強皮症線維化病態に対する革新的治療法開発のための疾患特異的PDEの探索」というテーマで、皮膚硬化モデルと肺線維症モデルの両方で抗線維化療法としてのPDE阻害薬の可能性について追求していく。
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Causes of Carryover |
現在論文発表のために論文投稿中であり、論文掲載料や再提出を指示された際の試薬等を準備するための費用が必要であるため。
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