2020 Fiscal Year Research-status Report
Research of activation mechanism and pathogenicity of CIHHV-6
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20K17460
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
遠藤 明史 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80624238)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CIHHV-6 / HHV-6 / immunodeficiency |
Outline of Annual Research Achievements |
Human herpesvirus-6(HHV-6)は、けいれん発作や脳炎などに関わるDNAウイルスである。1990年代にこのHHV-6 がヒトゲノムの生殖細胞系に組み込まれる事(Chromosomally integrated HHV-6:CIHHV-6)が発見され、その後人口の約1%が保持している事が分かってきた。研究者は、これまでこのCIHHV-6が人の体内で活性化し病原性を有する事をウイルス学的および分子生物学的に確認し報告した。しかし詳細な活性化機構は未だ解明されておらず、またHHV-6が組み込まれる機構も未解明のままである。本研究では、これらの機構の解明を目指している。今年度はCIHHV-6患者さんの臨床情報および臨床試料の収集を行った。本邦の免疫不全レジストリの中かCIHHV-6患者を同定し、患者及び家族に同意を取得し、臨床試料および臨床情報を収集した。またHHV-6を含んだ、主に免疫不全者に病原性を呈するウイルスの網羅的な検出を行い、レジストリ上の臨床情報と検出されたウイルスから興味深い知見が得られ、論文報告した。次に得られた臨床試料からウイルス学的な活性が確認されるか以下の実験系のセットアっプを行った。1)RT-PCR。2)HHV-6活性化蛋白の検出。3)感染細胞へのウイルス分離。また活性化がみられる試料において、活性化時に各細胞腫ごとに発現の亢進している遺伝子を同定するためsinglecellRNA-seqで網羅的な遺伝子発現解析を行う系をセットアップした。また、活性化機構に必須の遺伝子であるかどうか、不死化細胞株を樹立してノックダウンする系を立ち上げた。臨床試料を用いた解析は、新型コロナウイルスの影響等で今年度行えなかったが、次年度以降行っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で研究室の活動が制限され、研究協力者とのミーティングや実験系のセットアップが遅れた。臨床試料を用いた実験がまだ着手できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き臨床試料を用いて活性化機構の解明に取り組む。また次のステップとしてHHV-6組み込み機構の解析も行いたい。CIHHV-6は相同組み換えにより染色体に組み込まれると想定されており、組み込み実験については、既報の実験を再現する(Arbuckle, et al. Proc Natl Acad Sci. 2010)。組み込み現象が確認されれば、組み込み過程でも活性化機構と同様に遺伝子発現解析を行い、組み込み時に発現が亢進している責任遺伝子を同定する。次年度以降に上記の遺伝子発現解析と並行して、日本人の染色体に組み込まれているHHV-6の核酸配列の解析も行いたい。活性化機構の結果と合わせ活性化の見られたCIHHV-6核酸配列と活性化の見られなかった核酸配列との相違を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイル感染症の影響で研究室の仕様が制限され、実験が遅れた。特に臨床試料を用いた解析が行えておらず、遅れた分を次年度に行いたい。
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Research Products
(3 results)