2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規インフルエンザワクチンアジュバント開発を目指したC型レクチン受容体の機能解明
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20K17461
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 秀輝 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90799082)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インフルエンザ / C型レクチン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では微生物由来糖鎖を認識するパターン認識受容体であるC型レクチン受容体のうち、高マンノース糖鎖を認識するDectin-2に着目し、インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)との相互作用および免疫応答誘導におけるDectin-2の役割について解析した。HAはマウスDectin-2およびヒトDectin-2の両受容体と結合し、特にA/H3N2亜型由来HAとの結合性が高かった。マウスDectin-2においては、受容体結合部位のアミノ酸変異によりこの結合性は顕著に低下した。糖鎖切断酵素によりHAを処理した後に樹状細胞を刺激した際の炎症性サイトカイン産生は、未処理HAでの刺激と比較して酵素処理群で有意に低下した。HA投与14日後のHA特異的抗体産生について野生型マウスとDectin-2遺伝子欠損(KO)マウスで比較したところ、IgMおよびIgA産生はA型およびB型由来HA投与のどちらにおいても両群間で有意差はみられなかった。一方で、IgG産生はA/H3N2亜型由来HAまたはB/Yamagata系統由来HA投与でDectin-2 KOマウスにおいて野生型マウスと比較して有意な上昇がみられた。さらに各IgGサブクラスについて解析したところ、IgG2b産生がDectin-2 KOマウスにおいて有意に上昇した。抗原特異的リンパ球応答を解析するために、所属リンパ節の抗原再刺激を行ったところ、A/H3N2亜型由来HA投与におけるIFN-γ産生がDectin-2 KOマウスにおいて有意に増加した。以上から、Dectin-2欠損下ではHAに対する抗体産生応答が増強する何らかの機序が存在し、この機序は特にA/H3N2亜型由来HAにより誘導される可能性が考えられた。
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[Journal Article] Dectin-2-mediated initiation of immune responses caused by influenza virus hemagglutinin2021
Author(s)
Hideki Yamamoto, Chikako Tomiyama, Ko Sato, Jun Kasamatsu, Kazuki Takano, Aya Umeki, Nana Nakahata, Tomomitsu Miyasaka, Emi Kanno, Hiromasa Tanno, Sho Yamasaki, Shinobu Saijo, Yoichiro Iwakura, Keiko Ishii, Kazuyoshi Kawakami
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Journal Title
Biomedical Research (Tokyo)
Volume: 42
Pages: 53-66
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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