2023 Fiscal Year Research-status Report
腸管移植片対宿主病におけるバクテリアルトランスロケーションの病態解明
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20K17465
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江里口 芳裕 九州大学, 大学病院, 助教 (70552016)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バクテリアルトランスロケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞移植後の腸管からのバクテリアルトランスロケーションによる敗血症は、致死的な合併症であり、治療成績を大きく左右する。移植周術期の抗菌薬に よる腸管内殺菌等の試みにより治療成績は改善したが、長期の抗菌薬投与は耐性菌の定着を促し、治療に難渋する耐性菌感染症が問題となっている。今までは、 無菌室や腸管内殺菌など、環境や病原体に関わる宿主外の因子に焦点が当てられてきたが、これでは多剤耐性菌の問題は解決できない。本研究では、従来研究さ れてきた病原体因子ではなく、宿主因子である病原体の侵入門戸に焦点を当て、新規治療法の開発を行うことを目的に、造血幹細胞移植のマウスモデルの準備を 進めている。また、菌血症を発症した造血幹細胞移植患者の臨床データを解析しながら、背景因子等の評価も進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年より、新型コロナウイルス感染症が流行し、感染者数のピークも前年度に比べて格段に増加し、未曾有の緊急事態となった。所属する九州大学病 院は、率先して地域の患者の受け入れを担当することとなり、感染症内科医として、自身が直接、新型コロナウイルス感染症患者の治療対応を行う必要があり、 予定していた研究に十分な時間を割くことが不可能であった。2023年度初頭も新型コロナウイルス感染症の余波が続き、2020年度からの遅れの積み重なりと相まって、現在までの進捗状況では遅れが目立った状態となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、過去の移植マウス検体の評価を行いながら、バクテリアルトランスロケーションを抑制する新規の治療開発のために、新規の移植実験を行う予定であ る。また、菌血症を発症した造血幹細胞移植患者の臨床データを解析しながら、背景因子等の評価を行なっていく。
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Causes of Carryover |
感染症医として、2020年度よりCOVID-19パンデミックへの対応に従事せねばならず、研究に十分な時間が取れなかった為、計画が遅延している。2023年度中頃より、研究が徐々に再開できる様になり遅延していた研究計画の遅れを取り戻すべく予定を実行している。
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Research Products
(1 results)